研究実績の概要 |
本研究では細胞内酸化ストレス関連のMito-TEMPOを使って、単独およびマイルドハイパーサーミア42℃との併用により細胞死と細胞内活性酸素種(ROS)およびオートファジーを検討した。実験については、ヒト子宮頚癌由来のHeLa細胞を利用した。細胞死の形態観察はGiemsa染色で、細胞増殖毒性評価はCell Counting Kit-8およびコロニー形成法で、核の形態観察はDAPI蛍光染色で、アポトーシスはAnnexin V-FITC/PI染色でフローサイトメトリーおよび蛍光顕微鏡による検討をした。アポトーシスはBax, Bid, Bcl-2, JNK, p-38, Caspase-3, HSP70など、オートファジーはLC3, Atg5, P62などたんぱく質発現をウェスタンブロッティング方法で検討した。細胞内活性酸素種(ROS)の検出にはDihydroethidine (DHE)をそれぞれ利用してフローサイトメトリーおよび蛍光顕微鏡で検討した。ミトコンドリアの膜電位については、Tetramethyl rhodamine methyl ester(TMRM)色素を利用してフローサイトメトリーおよび蛍光顕微鏡で検討した。Mito-TEMPOと42℃併用によるミトコンドリア膜電位は低下することを認められた。研究結果について、HeLa細胞においてMito-TEMPOとマイルドハイパーサーミア42℃併用によるアポトーシスの顕著な増感効果を示した、その増感機構について、細胞内オートファジーおよび活性酸素との関連することを認められた。このMito-TEMPOとマイルドハイパーサーミア併用によるアポトーシスの顕著な増感効果は癌の治療に貢献することができると考えられる。
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