研究課題/領域番号 |
21K07616
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
木村 浩彦 福井大学, 学術研究院医学系部門, 名誉教授 (10242596)
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研究分担者 |
石田 翔太 京都医療科学大学, 医療科学部, 助教 (50817559)
藤原 康博 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (90422675)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | arterial spin labeling / Cerebral blood flow / Cerebral blood volume / Brain / MRI |
研究実績の概要 |
今年度の成果として、DANTE法による血管内信号抑制法を確立し、これをさらに発展させることで、ASL信号を血管内信号と血管外信号に分離できることを確認した。血管内信号が優位な条件と血管外信号が優位な条件でのASL信号のT2を計測する方法を確立した(Ishida, Kimura、et.al. 2021 ISMRM & SMRT Annual Meeting & Exhibition, 2021.5,)これに基づき、正常人でも血管内外のASL信号を分離でき、その大きさを計測することが可能で、CBFとともにCBVを同時に計算するモデルを提案し、正常人で検証し論文に報告した(S. Ishida, H. Kimura, N. Takei, Y. et al. Magn Reson Med 2021)。さらにmoyamoya病や主幹動脈狭窄患者データ取得はすすめており、PET-OEFとASL-ATTの関連について調べ、ASL-ATTが血行動態の関連のパラメタとなり得ることを論文に投稿しacceptされている。現在も症例を増やすとともに定量的PET-CBFの値との対比、CVRとの関連についても解析を進めている。臨床的応用として、ASL潅流画像の変性疾患への応用も論文として報告された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
正常人での基礎的検討が順調に推移しており、結果を国際学会等に複数報告でき、CBF, CBV, ATTの同時計算のためのあらたなASL信号モデルの提案し、正常人での検証も論文として報告できた。これらのあらたなASL信号モデルを基礎とするパラメタが臨床的に有用となるかの検討をすすめている。これまでの臨床応用のデータのまとめの段階にある。今後、さらに臨床応用としてもやもや病患者や主幹動脈狭窄/閉塞症でのデータ収集をすすめてゆく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの臨床応用のデータのまとめをするとともに、さらに臨床応用としてもやもや病患者や主幹動脈狭窄/閉塞症でのデータ収集をすすめていく予定である。特に、ASL-CBFだけでなく、ASL-CBVの検証、臨床的意義の確立のため、PET-CBFやCVR(血管の予備能)との関連、さらにPET-CBF検査により得られる、V0(動脈側の血管容量)との関連を詳細に詰めていく予定である。そのために、PETデータの解析手法の改良も必要に応じて行う予定で現在進行中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
正常人検査のための謝金使用が本年度当初予定していた程進まなかったこと、コロナ感染の継続のため、学会、研究会が遠隔となったため、参加費、交通費の使用が減少したため次年度使用額が生じている。本研究内容の関連の研究会にて、研究成果の内容にかかわる特別講演(臨床MR脳機能研究会)を予定しており、その際の追加旅費に充てる予定。
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