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2022 年度 実施状況報告書

各種細胞株の放射線照射による生存率曲線と遺伝子発現量の測定

研究課題

研究課題/領域番号 21K07617
研究機関名古屋大学

研究代表者

平野 祥之  名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (00423129)

研究分担者 松井 佑介  名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (90761495)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードRNA-seq / 遺伝子発現 / 放射線耐性 / コロニーアッセイ / バイオインフォマティクス
研究実績の概要

当初は、放射線治療適用部位のがん細胞をできるだけ多く、ガンマ線照射前後の遺伝子発現データを取得することを目的としていたが、予算の都合とbiological replicateをなるべく増やしたいため、限られた細胞のみデータ取得することにした。過去の文献から放射線耐性のある細胞株2種類と、放射線感受性の高い細胞株2種類を選んだ。現在は、それぞれ1種類ずつ(HepG2とIMR32)において、2Gy照射後5時間のRNAを抽出し、RNA-seqによるデータを取得した。現在遺伝子発現差異の解析をしているところである。また残り2種類(KMRC2とHEC251)についても、同様に照射し、RNA-seqの依頼をした。平行して、コロニーアッセイによるこれらの生存率曲線を取得し、放射線耐性を調べる予定であったが、HepG2とIMR32はコロニーを形成しづらいことが分かり、当該研究室が行っていた手法では生存率曲線の取得が難しいことがわかった。コロニー形成をしない理由については不明だが、あまり薄い濃度で細胞を撒くと生存率が極めて悪いと考えられる。一般に濃度が濃いとコロニー同士が結合し、コロニーのカウントができないため薄く撒く必要がある。そこで、薄い濃度でもコロニーを形成できる下限の濃度を測定し、コロニーがあまり大きくなる前に、アッセイをすることにした。さらに顕微鏡で培養ディッシュ全体を撮影することで、染色等で剥がれる前のコロニー数のカウントを実施することにした。これにより、照射前後での遺伝子発現差異の他に、放射線耐性との関連についても調べることができるようになった。まもなくデータは取得できるので、本年度までに解析を終える予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

やや遅れている理由としては、細胞培養に必要なインキュベータの調子が悪く(CO2濃度が不明になった)、新しく細胞株を購入することができなかった。新しいインキュベータを購入する予算がないため、CO2センサーを作成し、そのセンサーの値を参考に濃度設定をすることでなんとか回避した。またはじめて扱う細胞株は、コロニーを形成しづらく、当該研究室で行ってきた方法では、生存率を測定することができなかった。その改善方法について模索していたため、予定より遅れた。

今後の研究の推進方策

放射線感受性が高い細胞株と低い細胞株のガンマ線照射前後のRNAを抽出し、RNA-seqによるデータは取得できた。よって、放射線感受性とベースラインと照射後の遺伝子発現との関わりについて解析する予定である。はじめは基本的な解析として、遺伝子発現差異を検出して、それらのエンリッチメント解析をする。コロニーアッセイによる生存率曲線の測定については、順次実施していく。

次年度使用額が生じた理由

購入する細胞株の選定と培養に時間を要したため、RNA-seqの費用を今年度に使用することができなかった。しかし次年度初期にすでにRNA-seqの依頼をし、測定完了したため、このための予算は使用済みである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Analysis of temporal variations of gene expression after gamma-ray irradiation in HeLa cells by RNA-seq2022

    • 著者名/発表者名
      Satsuki MYOGA Yoshiyuki HIRANO
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第65回大会

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公開日: 2023-12-25  

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