研究課題/領域番号 |
21K07618
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯間 麻美 京都大学, 医学研究科, 助教 (60748797)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乳がん / 拡散MRI / 予後予測 |
研究実績の概要 |
本研究では、拡散MRIより得られる様々な定量値を乳がんのサブタイプを始めとする分子生物学的因子や再発、転移や予後、治療効果情報等と関連付けることにより、臨床において汎用性の高いイメージングバイオマーカーを探索する。また、拡散MRI定量値が実際に腫瘍内のどのような特徴を捉えているのか、担がんマウスモデルを作成し組織学的検討を行う。 動物実験においてはコロナ禍の影響により研究者の移動含め制限の時期が長く続き、実験を本格的に再開始できたのは2021年秋頃からであったため、特に動物実験の進捗状況において遅延が生じている。担がんマウスモデルを作製し前臨床7TMRIにて撮影を行い、CD31やKi-67などの免疫染色を行い、拡散MRIパラメトリックマップと病理組織標本からの免疫染色画像をマップ単位で比較した。拡散MRI定量値が細胞や、血管密度などの病理情報と相関があるか検討を引き続き行っている。 過去に多数の(拡散強調の度合いを表す)b値で撮影した乳房拡散強調画像(拡散MRI定量値の乳腺腫瘍の良悪性や progesterone receptor statusの鑑別の有用性については論文発表済(Iima et al. Radiology.2018 May;287(2):432-441)を用いて算出される定量値(Kurtosis)が転移予測バイオマーカーとなる可能性を見出した。北米放射線学会において(オンライン)口頭発表を行い、現在論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍による移動の制限などのため動物実験の進捗が遅れたものの、臨床研究においては拡散MRI定量値(Kurtosis)が転移予測バイオマーカーとなる可能性を見出したため、全体として概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
転移のみならず、再発や予後、治療効果を含む臨床情報の更なる調査を続け、拡散MRIより得られる様々な定量値と関連付けることにより、臨床において有用なイメージングバイオマーカーの確立にむけ探索を続ける。 担がんマウスモデルの腫瘍における病理解析については、細胞や血管密度に留まらない病理定量情報の計測も可能か模索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により移動制限のため、特に動物実験の進捗が想定より遅れており、次年度以降はその実験経費を含め計上する。
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