研究実績の概要 |
拡散MRIから様々な定量値を算出し、乳がんのサブタイプを始めとする分子生物学的因子と関連付けることにより、臨床において汎用性の高いイメージングバイオマーカーを探索する。
前臨床研究:・B16 tumor xenografts modelにおいて腫瘍細胞のN/C比を反映可能なADC変化率の有用性を検討した。異なる拡散時間(9ms, 27.6ms)で算出したshifted ADC(b値=200,1500s/mm2)と、shiftedADC変化率がN/C比やKi67標識率など腫瘍増殖や悪性度を反映しうることを学会発表した。 ・B16 tumor xenografts modelにおいて拡散MRIの灌流を反映するIVIMフィッテング法がどのようにIVIM定量値に影響を及ぼすか、またフィッテングの最適化についても検討し学会発表した。CD31染色からえられる血管数や血管面積と拡散MRI定量値との相関についても検討したが、検討数も多くなく、IVIM定量値と灌流情報との有意な相関があるかどうかに関する結論は得られていない。
臨床研究:多数のb値で撮影した乳房拡散強調画像から、非ガウス拡散モデルを用いて算出される定量値(Kurtosis)が転移予測バイオマーカーとなる可能性を見出し、その結果を "Biomarkers Predictive of Distant Disease-free Survival Derived from Diffusion-weighted Imaging of Breast Cancer" として出版した(Magn Reson Med Sci. 2022 Aug 3. doi: 10.2463/mrms.mp.2022-0060. Online ahead of print)。
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