研究課題/領域番号 |
21K07620
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
王 天縁 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (90757288)
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研究分担者 |
沖本 智昭 神戸大学, 医学研究科, 客員教授 (20295067)
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
出水 祐介 神戸大学, 医学研究科, 客員准教授 (50452496)
赤城 卓 大阪大学, 医学系研究科, 招へい准教授 (50500005)
徳丸 直郎 神戸大学, 医学研究科, 客員教授 (90304899)
松尾 圭朗 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (90749201)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 粒子線CT |
研究実績の概要 |
本申請はクリニカルクエスチョンに基づき、これまでに解決出来なかった粒子線治療計画時における粒子飛程不確かさ問題の解決に向け、治療室の中で取得可能となる粒子線に基づくイオンCT (Ion Computed Tomography; ICT) 画像システムの新規開発である。申請者らが目指しているヘリウム(Helium)という重い粒子のICTは、軽い陽子(Proton)より物質中の散乱が少なく、重い炭素重粒子(Carbon)より物質中の原子核破砕反応の発生率も少ないため、臨床応用に耐えうる高解像度CT画像の取得に使う粒子として、最も適切であると考えられる。 ヘリウムICT撮影系のシステム構築: 申請者らは兵庫県立粒子線医療センターのシンクロトロン加速器により生成される150 MeV/uエネルギーのヘリウム粒子を使う。このシステムは拡大照射法であり、コーンビームの投影データを一気に収集できる。これにより撮影時間を短縮することが出来る。粒子線の照射ポートが水平方向に固定されているため、ローテーションテーブルを用いて、数度ごとに投影データを取得する。本申請では空間分解能の高い投影データを取得するため、シンチレーションとCMOSカメラを組み合わせた暗箱を作成する。シンチレーションには線エネルギー移行量(LET)に対する直線性に優れているジンクセルファイド(ZnS)を使用する。これによって線量を低いところまで正確に測定し、且つ検出器の空間分解能を0.5mm2程度にまで向上させる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者らはシンチレーションとCMOSカメラを組み合わせた暗箱を製作し、構築された暗箱システムを用いて、小型水ファントンムを撮影した。粒子線プロジェクション画像を確認した。最初得られた粒子線プロジェクション画像を確認し、中性子によるノイズが画像に影響することが判明した。CMOSカメラの位置をビームライン中心から 15cm, 30cmと45cmの距離を取って、撮影したプロジェクション画像のノイズを定量的に評価した。45cmの位置から得られた画像は中心位置から得られた画像より、ノウイズの量が1/3まで減少したことがわかった。この結果により、構築された暗箱システムのCMOSカメラの位置を最適化し、ノイズの少ない実験画像がえられるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
これからの実験計画として、撮影系システムの基礎特性と画像再構成処理を検討する。 投影データから3次元CT画像を再構成する際に、投影データの誤差(検出器の物理特性、ビーム散乱等による測定誤差)と画像再構成アルゴリズムによる誤差を評価し、それを踏まえてICTの画素値キャリブレーションを行う。水ファントムを用いて、再構成したICTの画素値から導いた水等価厚の再現性と直線性を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定した学会・論文発表の進捗が遅れて、それに関する経費を次年度の学会・論文発表使う予定です。
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