研究課題
脳転移は成人で最多の頭蓋内腫瘍であるが、微小な病変や多発病変が多い。診断には一般に造影後3DT1WIが用いられるが、増強された血管と微小転移の区別が困難な場合があり、正確な診断には時間を要し、見逃される病変が多い。VISIBLE (Volume Isotropic Simultaneous Interleaved Bright- and bLack-blood Examination)法は血管信号抑制画像と非抑制画像を同時取得し、高感度、低偽陽性率で脳転移を診断可能であるが、従来法では撮像に5分程度必要である。そこで近年臨床応用されつつある圧縮センシング法やハーフスキャンなども活用し、撮像時間の短縮、すなわち患者負担の軽減を試みた。また、VISIBLE法でさえも血管信号の不十分な抑制などで脳転移と偽病変を鑑別することは困難である。そのために、本研究では経過観察し、臨床的に確実に脳転移と診断された病変を教師画像に用いることで、偽病変を鑑別することでより精度の高い脳転移のsegmentationを目的とした。さらにAIシステムを応用し、脳転移を自動検出することで、診断効率のさらなる向上が期待される。本研究では至適撮像条件の確立、最適化されたVISIBLE法を用いた脳転移疑い患者の撮像、および患者データベース構築、データベースからの脳転移segmentation及びその深層学習、AIシステムを応用した脳転移の自動検出診断支援システム確立、脳転移の大きさ、部位、個数及び全身状態を加味した自動治療法選択を目標として取り組んだ。最終年度までに至適撮像条件を確率し、その画像評価を行い、患者データベースを蓄積し、AIシステムを応用した脳転移の自動検出診断支援システムを作成し、放射線科医の診断にどの程度貢献できるか検討した。
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