研究課題
頭部単純CT画像上のくも膜下出血分布から畳み込みニューラルネットワークを用いて脳動脈破裂瘤部位を推定する手法の開発を継続している.前年度に検討を行ったconvolutional neural network (CNN)とlong-short term memory (LSTM)を組み合わせたネットワークによる破裂部位推定は,正診率62.5%であったため,今年度は,ImageNetデータベースにより事前学習済みのCNNを用いて,令和3年度に提案した手法により破裂部位推定を行った.初めにCT画像の脳形体の標準化を行い,破裂部位推定に重要な9つの領域をROIとして切り出し,3枚の画像に,それぞれ3つのROIを貼り付け,3枚をRGB画像として合成した.合成画像をCNNへの入力とした.事前学習済みモデルには,ResNet50を使用した.破裂推定部位は,前交通動脈,左右の内頚動脈,左右の中大脳動脈の計5部位とした.評価には,前交通動脈破裂92例,左右内頚動脈破裂74例,左右中大脳動脈69例を用いた.5分割交差検証法による結果は,正診率が65.3%であった.LSTMを用いたネットワークよりも若干推定性能が向上したが,実用化には不十分な結果となった.目標としている推定性能が得られていないため,さらに手法の改良が必要であると考えている.具体的には,他の多数の事前学習済みモデルの中から,本手法に最適なモデルを求める.
3: やや遅れている
目標としている破裂部位推定性能が得られていないため,本研究は遅れていると考える.
手法の改良に加えて,症例数を可能な限り増やしていく必要があると考えている.手法の改良に関して具体的には,他の事前学習済みモデルを用いて再評価を行っていく.
海外で開催される学会において研究成果発表を計画していたが,次年度に繰り越したため.
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brain sciences
巻: 14 ページ: -
10.3390/brainsci14040406