研究課題/領域番号 |
21K07668
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
立石 宇貴秀 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20415524)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | TRPV1 |
研究実績の概要 |
骨転移関連疼痛の客観的評価を行うためにマウスの動物モデルを用いTRPV1特異リガンドとして新規合成したPETプローブによる画像化を昨年同様に用い、従来の客観的指標との比較を実施した。 対象マウスをSyngeneic(担癌)マウスモデル Ehrlich 乳がん移植、ICR マウス 4週齢 雌 10匹 皮下移植 5×10^6/μL/匹 6週齢を対象とした。マウスモデルの作成は東北大学に外部委託を行い実施した。 Blockingテストとして、自家調製されたTRPVアンタゴニストRLC-TV100x (コールド体) を使用する方法を考案した。n=1群あたり3~5匹のマウスに対し、Cell injection 搬入、馴化したのちRLC-TV100x(コールド体)を尾静脈内投与を行った。 一方は同量の生理食塩水+界面活性剤をプラセボとし、絶食下、上2種類の薬剤を投与、RLC-TV100x PET撮像を行い、画像評価を行った。エンドポイント確認後、sacrificeを実行した。PET画像を解析して腫瘍集積、放射能濃度測定を行った。病理標本を作製し通常の免疫染色の他、受容体のRNA定量を行うため、検体はすべてPAX gene containerで保存した。さらなるPET画像の詳細な解析、病理診断の詳細については次年度に引き続き検討を行うこととする。C-11標識体のbiodistributionを全マウスで確認した。摘出した臓器はずべてPAX gene containerで保存し、TRPV1受容体の発現を定常状態で確認した。腫瘍組織も同様に扱い、受容体の過剰発現とPETプローブの集積相関を確認した。PAX gene containerで保存した検体を用い、RNA scopeによるmRNA定量を行い、画像から得られるパラメータとの相関についても検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度にすでに骨転移関連疼痛モデルによる実験を行うために必要な単回毒性試験を実施し、問題なく安全に使用できることを証明できているため、動物モデルを作成することが可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
microPET Focus220(シーメンス、米国)を用いて実施する。1.5%のイソフルラン麻酔下にある間、マウスをPET撮像機に入れ、30分間のtransmission scanで行う。減衰補正を行う。尾静脈より挿入された注射口(Insuflon、Unomedical、Engmosen、デンマーク)を尾静脈に挿入し、PETプローブの静脈内ボーラス注射を行う。注射用量は30.0±5.0 MBq/bodyである。麻酔は1.5%イソフルランと亜酸化窒素/酸素の混合物(7:3)で維持する。麻酔をかけたマウスをPETスキャナーガントリーに配置し、体温を監視するために直腸に熱感知プローブを挿入する。実験中、彼らの体温は温度調節器(CMA150、スウェーデン)で37°Cに維持する。撮像条件についてはC11撮像済みの条件に合わせる。
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