研究課題/領域番号 |
21K07671
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉村 通央 京都大学, 医学研究科, 講師 (40597936)
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研究分担者 |
中本 裕士 京都大学, 医学研究科, 教授 (20360844)
原田 浩 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (80362531)
河井 可奈江 (三宅可奈江) 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (60812641)
石守 崇好 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70742211) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | Radiotherapy / Pancreatic cancer / Hypoxia |
研究実績の概要 |
当研究では膵癌放射線治療症例において低酸素PETによって、腫瘍内低酸素領域の動態を解析し、病理検体・血漿中の低酸素誘導因子ならびに放射線治療成績との関連を検証し、膵癌放射線治療成績の向上に寄与することを目的とする。本研究の目的は、膵癌化学放射線療法症例における放射線治療抵抗性低酸素領域の動態を解析し、病理検体・血液検体における低酸素誘導性分泌タンパク質との関連を解明し、より効果的な放射線治療の方法を開発することである。 当院において膵癌に対する放射線治療を行う症例に対する低酸素(FMISO)PET検査に関するプロトコールを作成し、当院の倫理委員会にて審査を行い、承認を得た。その後、共同研究者と検討を重ね、最適な撮像条件、タイミングについて検討した。また、呼吸同期MRI-FMISOPETの撮像も行うため、呼吸同期のタイミングなどについても研究者自身が被曝のないMRIの被検者となり、条件検討を行った。 膵癌に対する放射線治療を行う症例に対し、同意書を取得し、低酸素(FMISO)PET検査を開始した。 また、手術症例では、術前化学放射線治療後の手術の病理検体から、腫瘍の変化、viableな腫瘍の残存の有無を精査し、治療前のFMISO画像と照合し、低酸素領域と治療効果の相関について解析する予定であるが、また、腫瘍内の低酸素領域を免疫染色にて確認する因子について共同研究者とミーティングを重ね検討した。また、当院のキャンサーバイオバンクシステムを使い採取した血液サンプルを用い、血漿中の低酸素誘導性分泌タンパク質の発現を測定し、低酸素PET画像、手術標本における病理学的評価ならびに、放射線治療による局所制御率、生存率などとの相関について検証するための申請書の準備などを作成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低酸素(FMISO)PET検査に関するプロトコールを作成し、当院の倫理委員会にて審査を行い、承認を得ることができた。 また、実際の低酸素(FMISO)PET検査を開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、低酸素(FMISO)PET検査の症例の集積を継続する。 さらに、共同研究者とミーティングを重ね、腫瘍内の低酸素領域を免疫染色にて確認する因子について決定する。 また、当院のキャンサーバイオバンクシステムを使用するための申請書を完成し、申請を行い承認を得る。キャンサーバイオバンクシステムの血漿を使用し低酸素誘導性分泌タンパク質と膵癌放射線治療との関連を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症により、症例集積が少し遅れたことと、学会参加などがなかったため、使用額が少なかった。今後新型コロナ感染症が終息した段階で、予定通りの助成金支出を進める予定である。
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