研究課題
本研究は、面内・体軸方向ともに従来CTの2倍の空間分解能を有する超高精細CTにて撮像した肺癌の画像データから、診断能の向上に役立つ主観的および客観的画像学的因子を探索し、肺癌の的確な診断や治療方針の選択に役立つ画像解析法の確立を目指すことである。具体的な研究項目は、①肺癌の超高精細CT画像所見と病理組織像や遺伝子情報との詳細な対比②超高精細CT画像データを定量解析するための人工知能ベースのソフトウェア開発③病理学的因子、遺伝子因子、予後因子に関連する画像所見および定量因子の究明、の3つである。1. 超高精細 CT 所見の評価および遺伝子の免疫染色を含めた病理学的因子の評価:初年度に収集した85例の超高精細CTデータを用いたCT-based radiomics解析を行い、肺腺癌のsubtypeの中で予後不良なもの(micropapillary, solid)との関連性およびPD-L1(programmed cell death1 ligand1)との関連性を機械学習や統計ソフトを用いて検討した。更に、当科に保管されている伸展固定肺を超高精細CTで撮像し、超高精細CT画像と組織像を直接対比し、微細構造の描出能や結節の検出能についても検証を加えた。2. CT画像所見の評価と人工知能の構築:超高精細CTデータ、従来CTに相当する画像データ(NRsimulation)を用いて、人工知能の着目部位の検討を行うため、Vision transformerを用いた人工知能解析モデルを構築した他、類似のモデルとしてLIMEの構築も行い、上記の85例において、上皮内癌(AIS)、微少浸潤性腺癌(MIA)、浸潤性腺癌(IVA)の分類と人工知能の診断時の着目部位を視覚化した。3. 開発したソフトウェアの臨床評価:多施設症例を合わせた全437例を用いて肺腺癌の病理学的浸潤成分の予測能について検討した。
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