研究課題/領域番号 |
21K07674
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
堀 雅敏 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (00346206)
|
研究分担者 |
大西 裕満 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20452435)
SOUFI MAZEN 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (80823525)
大竹 義人 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (80349563)
佐藤 嘉伸 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (70243219)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 放射線診断 / 人工知能 / セグメンテーション / 不確実性 / 精度 / コンピュータ支援診断 / CT / MRI |
研究実績の概要 |
人工知能(AI)を応用して臨床に有用な技術開発を目指す多くの研究が試みられ、成功を収めている。しかし、その一方で課題も残っている。課題の一つとして、AI出力の「確からしさ」の評価が挙げられる。近年、学習済みAIのノードの一部をランダムに無効化する手法(Monte Carlo dropout)が、AI出力の「確からしさ」評価に有効であることが示された。本研究では、腹部3次元医用画像を対象にした臓器自動抽出について、AI出力の「確からしさ」の有用性を探っている。これにより、1) AIの示す結果を利用すべきか否かの指標を確立し、2) 教師データ作成の省力化、3) AIシステム精度の効率的な改善を目指している。また、複雑な臓器構造を有する腹部領域での成果は、全身に拡張することが容易と期待される。 2021年度研究実施計画では、腹部3次元医用画像(CT・MRI)データを収集することになっていた。この計画に沿い、画像データを集積して、放射線診断医が腹部臓器の抽出を行い、臓器領域(肝臓・脾臓)の「正解」データを作成した。2022~2023年度も引き続いて実施してデータ整備を完成させる予定である。画像データ集積と並行して、Monte Carlo dropoutを組み込んだAIシステム "Bayesian U-Net" を作成した。これにより、腹部3次元医用画像からの臓器自動抽出とその「確からしさ」(あるいは不確実性 "uncertainty")を出力できるようにした。 2021年度の研究により、画像データ集積と「確からしさ」評価のための基礎技術が確立され、本研究を継続する上で重要な成果を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
正解データ付きの画像データ収集が当初計画を下回っている。その他の事項については概ね順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究の方向については大きな問題が無いと考えている。しかし、正解データ付きの画像データ収集が遅れているため、2022年度もデータ収集に努める。その他については、概ね順調であり、研究計画に沿って研究を遂行する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
現在までの達成度の欄に記載の通り、研究の達成度がやや遅れている。また、COVID-19パンデミックに伴って、当初予定していた学会参加を幾つか取りやめた。これにより次年度での使用額が生じた。2022年度は、研究達成度の遅れを取り戻す予定であり、また学会参加も増える見込みであり、当初予定通りに使用することになると考えている。
|