研究課題/領域番号 |
21K07675
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
村田 順之 山口大学, 医学部附属病院, 診療助教(4日/週) (30896824)
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研究分担者 |
平野 綱彦 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (00382333)
松永 和人 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20347602)
椎木 健裕 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (30610456)
矢野 雅文 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90294628)
平野 靖 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (90324459)
間普 真吾 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70434321)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | COPD / 身体活動性 / density analysis |
研究実績の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者における身体活動性の低下は予後不良因子であることが報告されており、近年は3軸加速度計を用いて身体活動性の評価が行われるようになっている。しかしCOPD患者すべてにその評価方法を適応することは実臨床上は困難である。また身体活動性低下の病態生理学的機序についてはまだ十分に解明されていない。一方、吸気呼気CTにおけるdensity analysisは肺病変の病態の理解や解明に期待されており、身体活動性低下を簡便に評価するイメージングバイオマーカーとして有用であるかを検証した。 2021年度時点で、COPD患者41人と健常者12人において、呼吸機能検査、吸気呼気CT、3軸加速度計(Active style Pro HJA-750C)による身体活動性などを評価した。COPD患者はStage 1-4の中で、Stage 1が19人、2が20人、3が2人と軽度から中等度のCOPDが主に対象であった.density analysisによるE/I MLD(expiratory to inspiratory ratio of mean lung density)は、COPDおよび健常者全体で身体活動量と負の相関を示した. 特にCOPD患者では3-4METsの運動強度で有意に相関を示した(3METsでr=-0.31、4METsでr=-0.36)。またCOPD患者において身体活動性低下している群では、そうでない群と比べ、呼吸機能やCTにおける気腫は差がなかったが、E/I MLDは有意に高く(0.983 vs 0.972、p=0.02)、E/I MLD>0.980がCOPD患者における身体活動性低下を予測する有用なマーカーであることが示された。また集積したデータをもとに、自己符号化器を用いてCOPD患者における身体活動性低下の予測に関する要因も解析も並行して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の対象となる患者数は順調に増えており、解析も順次行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
山口大学医学部附属病院の呼吸器感染症内科で外来を行っている医師に、新規の対象となるCOPD患者の組み入れを依頼する。またこれまで対象となった患者においては、引き続き外来でのフォローにおいて、CTや肺機能を含めた各種検査や、3軸加速度計を用いての身体活動量の測定を行い、経年的な身体活動量の変化と関連するバイオマーカーの探索などの研究を今後進めていくこととしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費については、本年度に集積した症例データの解析を行う予定であったが、対象となる症例数は目標に達していなかったため、データの解析に用いる予定であった統計解析ソフトの購入については見合わせたため、未使用額が生じた。この未使用額については、次年度に予定しているデータ解析の際に用いる統計解析ソフトの購入に充て、次年度に研究成果について論文作成を予定しており、その際の英文校正費用、論文投稿費用にも併せて使用する。
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