研究課題/領域番号 |
21K07677
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
北島 美香 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (60305018)
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研究分担者 |
米田 哲也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (20305022)
竹林 実 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (60304440)
上谷 浩之 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80583046)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | うつ病 / うつ病治療 / MRI / 拡散画像 |
研究実績の概要 |
本研究は、うつ病の病態を解明し、診断や予後予測に有用なバイオマーカーを決定することを目的とする。頭部MRI画像から得られる脳の形態、機能、血流はその重要なバイオマーカーとなる可能性があり、本研究では、頭部MRI画像情報として、脳の形態を脳の体積や皮質の厚み、機能を拡散情報、血流をarterial spin labelingより取得し、臨床評価とあわせて、うつ病に一定の効果があるとされている電気けいれん療法の前後でそれらを比較することにより、頭部MRI画像情報の有用性を検討する。初年度は、研究対象者の方の、MRI検査中の身体的、心理的負担を可能な限り軽減しつつ、精度の高い高画質画像を取得できるように頭部MRI画像の各撮像法の最適化を行った。加えて、拡散画像では、取得画像からノイズや様々なアーチファクトを除く手法を取り入れた。これらの画像から、脳形態については、FreeSurferを用いた評価、拡散画像については海馬やそのほかの大脳皮質に注目しNODDI(Neurite orientation dispersion and density imaging)を評価、glymphatic systemをDTI-ALPS(diffusion tensor image analysis along the perivascular space)で評価することとし、これらの解析手法も構築した。最適化された撮像法を用いて、電気けいれん療法後に臨床症状の改善がみられた1臨床症例の解析を行った。脳形態やNODDIから得られる指標は治療前後で大きな変化はみられなかったが、ALPS indexは治療前後で変化を認め、ALPS indexは電気けいれん療法効果評価の客観的バイオマーカーとなる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響もあると思われるが、研究対象が少なく、臨床症例の検討が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、COVID-19の感染状況の見通しは難しく、それらが研究対象者リクルートに影響する可能性がある。そのため、研究対象疾患をうつ病だけではなく、電気けいれん療法が対象となる精神神経疾患に広げ、研究対象者のリクルートが円滑に進むようにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大のため、国内学会や国際学会への現地参加ができず、旅費支出がなかった。今年度は、感染状況を考慮し、学会の現地参加を行う予定である。また、今後、画像解析に必要なソフトウエア(統計ソフトや文献管理ソフトなど)を購入予定である。
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