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2021 年度 実施状況報告書

脳外科手術を指向した間脳神経核群を高精度に描出する臨床用MRI位相画像技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K07678
研究機関熊本大学

研究代表者

米田 哲也  熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (20305022)

研究分担者 伊賀瀬 圭二  愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (50346665)
北島 美香  熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (60305018)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードMRI / Vim / 視床 / DBS
研究実績の概要

本年は、主に本研究課題が最初に到達すべき、脳深部刺激治療(DBS)で治療に欠かせず、画像上での観察が最も困難なVimや、ほかの視床核を同定する位相画像技術の開発を行うことにあった。事前に取得されたmulti-echo GRE法で撮像されている健常ボランティアデータベースから、10名を抽出し、high-pass処理を行った位相画像を用いて、位相差強調画像化法(PADRE)を用いて、ミエリンを強調する組織x強調画像を作成した。強調パラメタは、(a, b, c) = (5, 0, 1)を用いて、filter sizeは128x128とした。作成された組織強調画像をAC-PCラインで水平断面を作成し、次の基準でVimを視床内で同定することとした:①淡蒼球終端付近に位置する ②内髄板に向かって伸び、髄板に至る ③内方後脚に接続する ④PADRE組織強調画像上では低信号 ⑤幾何学的には左右方向に7~10mm, 前後方向に2~4mm, 頭尾方向に4~6mm これらの条件を満たすように手動でROIを引き体積を引き、Gravbrotらの報告にあるようにVim体積が視床体積の0.5~2.0%内に収まるかどうかを検討して、正しく検出されているかを測定した(Gravbrot, stereotactic and functional neurosurgery, 2019)。その結果、両側Vim体積は、視床体積の0.891±0.237%であり、右側視床内のVim体積が左側に比べてやや大きい(0.01%)ことが明らかになり、さらに加齢に伴って、有意に体積が減少していた。Arshadらの研究(Arshad, Neuroimage, 2016)によれば、加齢に伴い体積は減少するため、その体積と加齢傾向から、本年度開発した検出法は、正しくVimを検出していると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度はVimの検出基準の同定と、精度の確保であったが、ほぼ先行研究と同じ結果が得られたため、本研究開発による、Vim同定は間違いないものと考えられるため。

今後の研究の推進方策

脳外科臨床医によるROI設定と本検出法によるROI設定の一致度を検討して、一致度が高い場合(>0.9)は、AIによる自動ROI作成の検討に入る。また、臨床被検者のリクルートを行い、外来でDBSを施術する患者を対象に、臨床的な効果の検討を始め、次年度までに10例ほどの臨床例を収集して、検討を継続することとする。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた機能を持つコンピュータの導入が、コロナ禍の影響を受けてGPUの価格が高騰し、本研究費で購入できる範囲になく、本年度の購入を断念したため残額が発生した。これに伴って、ソフトウェアの導入も行えなかったことが残額が多く発生した原因である。本年度はAIなど過剰に負荷のかかる作業をお変えたが、次年度はこれらを実行するため、GPUの価格低下を見て、迅速に使用し、解析速度の向上をはかり、目的を果たせるように尽力する。

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公開日: 2022-12-28  

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