研究課題/領域番号 |
21K07686
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
山根 彩 日本医科大学, 医学部, 助教 (60809656)
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研究分担者 |
関根 鉄朗 日本医科大学, 医学部, 講師 (00747826)
中田 亮輔 日本医科大学, 医学部, 助教 (70614759)
安井 大祐 日本医科大学, 医学部, 助教 (00755001)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | EOB MRI / 深層学習 |
研究実績の概要 |
2021年9月にMRIのバージョンアップが完了し、深層学習画像再構成機能を利用可能となった。本アルゴリズムの初期経験結果から、想定外に大幅な画質改善効果が得られる事が分かった。そのため、当初の予定を変更し、2DのT2WI及びDWIにおける画質改善の取り組みを開始した。深層学習による空間分解能向上効果及びSNR向上効果により、T2WIでは2回息止めのthin slice撮影を開始し、視覚評価に大幅な改善を認めた。一方、DWIについてはシークエンスデザインの問題から息止めでのthin slice撮影のプロトコル作成に難渋している。DWIはabbreviated MRIにおいて欠かせないシークエンスであるため、前向き研究をstartする前に更なるシークエンスの改良の必要がある。 本深層学習のアルゴリズムは研究開発から間が無く、学会発表や論文報告の知見に乏しい。特にT2WIでの公開が先行していたため、DWIにおける知見は現在蓄積中である。引き続き、学会/論文発表における知見の収集、MRIメーカー技術者とのdisucussionを通して、最適な撮影シークエンスの開発を行う。 EOB-MRIについてはStack-of-starsを用いた自由呼吸撮像法の導入を見込んでいた。しかし、自験例及び学会等での知見を統合するに、streaking artifactを避ける事が困難である事が分かった。そのため、基本的にはcompressed sensingを組み合わせた息止め3D T1WI撮像を採用する事を決定した。 研究補助員のtrainingを行い、医用画像の抽出・読影実験のための前処置・簡単な患者情報の抽出がシームレスに可能なresearch workflowを確立した。これにより、以後の研究が加速する事が見込まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初用いる予定であったシークエンスの候補と、今後採用するMRI撮像シークエンスは異なるシークエンスの選択を行ったため、全体の研究計画には遅延が生じている。しかし、深層学習再構成を用いる事で、T2WIでは想定外の画質改善効果が得られており、この遅延を相殺為うる以上の大きなインパクトを達成出来る事が期待出来る。。今後、DWIにも深層学習再構成を利用する事で、大幅な画質改善が見込まれ、当初よりも診断能の向上が期待出来る。 研究補助員雇用を行った。種々の画像解析の際の前処置を経験させる事で、skillの大幅な向上が達成された。今後の研究加速が見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
GE社製の深層学習MRI再構成手法の画質改善に与えるインパクトが想定以上であった。本アルゴリズムの最適化に集力する事で、本研究のみならず、周辺研究や日常診療への応用へも大きなインパクトを持ち得ると期待出来る。 アルゴリズム策定が済んだら前向き検討を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会参加がオンラインで済んだため、旅費が大幅に節約可能であった。
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