研究課題/領域番号 |
21K07697
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
近藤 隆 富山大学, 医学部, 名誉教授 (40143937)
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研究分担者 |
三澤 雅樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60358083)
齋藤 淳一 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (70572816)
趙 慶利 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (90313593)
古澤 之裕 富山県立大学, 工学部, 准教授 (80632306)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 金ナノ粒子 |
研究実績の概要 |
アクティブターゲティングナノ粒子を用いた放射線増強を目指して、EGRF抗体をリポソーム化して5nm金ナノ粒子を含む製剤を作製した。当初、高濃度の金コロイドを直接、培地に投与したが、凝集(塩析)するため、細胞には取り込まれないことが判明した。そこで、リポソームに包むことを考えた。また、リポソームに架橋剤を介して、抗体を接合し、抗体リポソームを合成し、金ナノ粒子を内包させた。金ナノ粒子と抗体リポソームを別々に合成し、混合させて、内包されない金ナノ粒子を除去した。1つの150nmサイズのリポソームに、数個の金ナノ粒子が含まれることを透過型電子顕微鏡で確認した。金ナノ粒子をFITC、リポソームをローダミン標識して細胞に投与し、細胞1個あたりの蛍光強度を測定したところ、培養時間に比例して、リポソームも、金ナノ粒子も、細胞内への取り込みが増加した。また、静脈注射と腫瘍内注射による生体内分布についてイメージング技術を用いて検討した。その結果、静脈内投与では腎臓、肝臓、肺に多く集積した。腫瘍内投与では臓器中の集積度は高かったが、静脈内投与時の腫瘍内集積と大きな差はなかった。本検討では動物実験用の濃度を高めた抗体金ナノ粒子(>10mg/mL)は、相当量作るのが難しく、うまく動物に投与できるまでは至らなかった。その他、金ナノ粒子や他の金属ナノ粒子を用いて大気圧プラズマ等、他の物理的手法でも増感効果が期待できないか、試行研究を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インビトロの実験では予想に合う結果が得られてても生体内投与で期待した効果を得ようとすると投与時の濃度を高める必要があり、この作製に困難があった。
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今後の研究の推進方策 |
生体内投与の関する課題解決に関する対策を検討するとともに、金ナノ粒子を用いた物理的増感効果について、対象を放射線に限定せず、放射線類似作用を有する大気圧プラズマにも広げ検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本人の移動、構成メンバーの入れ替えと感染症蔓延防止による移動が困難な状況があり、実験実施が計画どうりには進まなかった
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