研究課題
アクティブターゲティングナノ粒子を用いた放射線増強を目指して、EGRF抗体をリポソーム化して5nm金ナノ粒子を含む製剤を作製した。当初、高濃度の金コロイドを直接、培地に投与したが、凝集(塩析)するため、細胞には取り込まれないことが判明した。そこで、リポソームに包むことを考えた。また、リポソームに架橋剤を介して、抗体を接合し、抗体リポソームを合成し、金ナノ粒子を内包させた。金ナノ粒子と抗体リポソームを別々に合成し、混合させて、内包されない金ナノ粒子を除去した。1つの150nmサイズのリポソームに、数個の金ナノ粒子が含まれることを透過型電子顕微鏡で確認した。金ナノ粒子をFITC、リポソームをローダミン標識して細胞に投与し、細胞1個あたりの蛍光強度を測定したところ、培養時間に比例して、リポソームも、金ナノ粒子も、細胞内への取り込みが増加した。また、静脈注射と腫瘍内注射による生体内分布についてイメージング技術を用いて検討した。その結果、静脈内投与では腎臓、肝臓、肺に多く集積した。腫瘍内投与では臓器中の集積度は高かったが、静脈内投与時の腫瘍内集積と大きな差はなかった。本検討では動物実験用の濃度を高めた抗体金ナノ粒子(>10mg/mL)は、相当量作るのが難しく、うまく動物に投与できるまでは至らなかった。その他、金ナノ粒子や他の金属ナノ粒子を用いて大気圧プラズマ等、他の物理的手法でも増感効果が期待できないか、試行研究を実施した。
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