研究課題/領域番号 |
21K07713
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
松本 知博 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (30710983)
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研究分担者 |
長谷部 光泉 東海大学, 医学部, 教授 (20306799)
堀田 篤 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30407142)
富田 康介 東海大学, 医学部, 助教 (70803485)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | リンパシステム / MRリンパシステムイメージング / ナノダイヤモンド |
研究実績の概要 |
低侵襲で簡便な リンパシステムイメージング技術は未確立である.その中で,磁気共鳴画像法(MRI)によるリンパシステムの画像化(MRリンパシステムイメージング)が,有望視されている.本研究の目的は,MRリンパシステムイメージング確立のため,ナノダイヤモンド-環状型Gd錯体複合体MRI造影剤を開発することである. この開発によって,これまで困難であったMRリンパシステムイメージングを日常臨床で可能にすることを目指す.そこで今年度は,直径5 nm程度の高分散ND粒子に対して,環状構造を有するガドリニウム錯体(Gd-DOTA)を複合した.ND粒子が表面に有する水酸基(-OH)と,キレート錯体の有するカルボキシル基(-COOH)を脱水縮合によりエステル化することで,Gd-DOTAを担持したND粒子(Gd-DOTA-CND)を作製することに成功した.同粒子に関してはフーリエ変換赤外分光法やX線光電子分光法による化学解析を通じて正常に作製されていることを確認した.また,同的光散乱法や透過型電子顕微鏡での観察から,水中において粒子同士が凝集せず,安定して高分散状態を維持していることを確認した.さらに,ND-環状型Gd錯体複合体造影剤をスクリュー管に入れ,in vitroで3T-MRI装置で撮像し,緩和時間短縮作用確認試験を実施した.Gd-DOTA-CND粒子懸濁液は同Gd濃度において既存MRI造影剤(ガドビスト)の5倍程度のT1緩和度を有しており,低Gd濃度でのMRI撮像が可能であることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度中に直径5 nm程度の高分散ND粒子に対して,環状構造を有するガドリニウム錯体(Gd-DOTA)を複合に成功した.これによって,進捗は概ね順調と言える.緩和時間短縮作用確認試験並びに安全性試験を実施する.
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今後の研究の推進方策 |
作製されたND-環状型Gd錯体複合体MRI造影剤の物性評価を実施する.作製されたND-環状型Gd錯体複合体MRI造影剤の緩和時間短縮作用確認試験と安全性試験を実施する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の影響で、学会参加等で計上していた旅費、その他の経費が使用できなかった。専門家との直接の意見は、何にも代えがたく、今年度は、可能であれば、積極的に現地参加で学会参加をし、これに経費を充てたいと考えている。
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