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2022 年度 実施状況報告書

キレーター含有糖ユニットで修飾した抗体の標識反応と評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K07714
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

破入 正行  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員 (80435552)

研究分担者 水野 真盛  公益財団法人野口研究所, 研究部, 室長 (40271506)
謝 琳  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員 (30623558)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード放射性金属核種 / 位置特異的標識 / 抗体 / 糖鎖
研究実績の概要

放射性核種と抗体との錯形成を行うには、放射性金属捕捉部位であるキレーターをLysやCysの側鎖へ導入する方法が一般的である。しかし、抗体のどの位置にキレーターが導入されたかを確認するには非常に困難であり、またキレーターをもつ抗体の品質にバラツキが生じることも予想できる。そこで位置特異的にキレーターを導入する部位としてAsn側鎖に付加している糖鎖に注目した。今年度は昨年度に続きランダムにキレーターを導入した抗体と糖鎖部分を糖加水分解酵素によって除去した抗体へランダムにキレーターを導入した抗体を標識した化合物のイメージング、アジド基を有する糖鎖の合成及び抗体への導入反応を検討した。
キレーターはDFOを用い、放射性核種としてZr-89を使用した。抗体はパニツムマブ、がん細胞としてヒト大腸がん由来DLD-1またはHT-29を藩種したマウスを用いたPETイメージングを行なった。パニツムマブのZr-89標識反応は糖鎖があるなしにかかわらず同様な放射化学的収率および放射化学的純度で標識抗体が得られた。またPET撮像においてもほぼ変わらない動態であった。抗体に導入するオキサゾリン糖鎖の合成は7工程で調製し、糖加水分解酵素であるENGaseを用いて部分的糖鎖加水分解パニツムマブへ導入した。SDS-PAGEを用いて導入効率を確認後、イオンクロマトグラフィーで精製を行い、中程度の収率で得た。次いでクリック反応を用いてパニツムマブ中のアジド基にDOTA誘導体を導入した。精製後、キレーター導入パニツムマブをトリプシン処理した後LC-MSMSで確認したところ不純物が混入していることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

目的化合物である糖鎖にキレーターをもつパニツムマブの調製が困難であった。また放射性金属核種の製造も予定通り供給できないためやや研究進展が遅れている。

今後の研究の推進方策

目的化合物である糖鎖にキレーターをもつパニツムマブの調製が困難であったため再調製を検討する。放射性金属核種としてCu-64のみならずGa-67およびZr-89を導入できるキレーターとしてDFOをクリック反応で導入するためのパニツムマブの調製も併せて検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

購入するための試薬類が予想以上に納期がかかることがわかった。その試薬類を来年度に購入する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] A 211At-labelled mGluR1 inhibitor induces cancer senescence to elicit long-lasting anti-tumor efficacy2023

    • 著者名/発表者名
      Xie Lin、Zhang Lulu、Hu Kuan、Hanyu Masayuki、Zhang Yiding、Fujinaga Masayuki、Minegishi Katsuyuki、Ohkubo Takayuki、Nagatsu Kotaro、Jiang Cuiping、Shimokawa Takashi、Ashisuke Kazuma、Okonogi Noriyuki、Yamada Shigeru、Wang Feng、Wang Rui、Zhang Ming-Rong
    • 雑誌名

      Cell Reports Medicine

      巻: 4 ページ: 100960~100960

    • DOI

      10.1016/j.xcrm.2023.100960

    • 査読あり
  • [学会発表] TRT薬剤211At-AITM 誘導体の合成と評価2022

    • 著者名/発表者名
      破入 正行, 謝 琳, 張 一鼎, 峯岸 克行, 門間 あゆみ, Hu Kuan, 藤永 雅之, 永津 弘太郎, 石岡 典子, 張 明栄
    • 学会等名
      第62会日本核医学会学術総会
  • [学会発表] Synthesis and evaluation of At-211 labeled TRT-radiopharmaceuticals (At-AITM) for melanoma with overexpressed metabotropic glutamate receptor 12022

    • 著者名/発表者名
      Hanyu Masayuki, Xie Lin, Yiding Zhang, Minegishi Katsuyuki, Kadoma Ayumi, Hu Kuan, Fujinaga Masayuki, Nagatsu Kotaro, Ishioka Noriko, Zhang Ming-Rong
    • 学会等名
      13th congress of the World Federation of Nuclear Medicine and Biology
    • 国際学会
  • [学会発表] 糖鎖加水分解パニツムマブの標識合成と体内動態2022

    • 著者名/発表者名
      破入 正行, 謝 琳, 張 一鼎, 森 昌子, 筒井 正斗, 水野 真盛, 張 明栄
    • 学会等名
      第1回 日本抗体学会設立記念学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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