研究課題/領域番号 |
21K07717
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
曽山 武士 北海道大学, 大学病院, 助教 (00794059)
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研究分担者 |
工藤 與亮 北海道大学, 医学研究院, 教授 (10374232)
平田 健司 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30431365)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 光免疫療法 / ナビゲーションシステム |
研究実績の概要 |
2021年度は、当初予定していたフュージョンビューワーの改良やデジタルファントムを用いた照射予想域の表示に留まらず、光量分布集計機能を持つ「高精度光免疫治療システム」の開発に着手した。また、このシステムの基礎的検討を行うために、①臨床解剖に即した構造を有し、②穿刺可能、③開口可能、④CTによる腫瘍・穿刺位置の客観的評価が可能な頭頸部ファントムを開発し、7月3日の第6回 日本穿刺ドレナージ研究会と11月26日の第36回 道東画像診断・治療ケア研究会で報告した。 光免疫療法のためのナビゲーションシステムを臨床で使用する際に、コーンビームCT撮像時にアーチファクトを発生しうる金属製のデバイスが問題であった。そこで、2021年度にCAD でデザインし3Dプリンターで印刷した非金属製開口器と非金属製ガイドニードルを開発し、11月26日の第36回 かしわ画像研究会で報告した。 また、歯肉癌を想定した光免疫療法のためのナビゲーションデバイスとして、2021年度にインプラントの際にドリルで下顎骨に穴を空ける技術を応用し、光ファイバーの穿刺を計画通りに行うことのできる穿刺ガイドプレートを開発し、11月26日の第36回 かしわ画像研究会で報告した。 この他、2021年度は柔軟な舌を有する頭頸部模型を開発し、これを用いて光免疫療法の術前画像と術中画像の非剛体画像レジストレーションの精度評価に取り組んだが、非剛体画像レジストレーションを行うとほとんど重ね合わせの誤差が発生せず、一方で原版の光免疫療法のためのナビゲーションシステムは重ね合わせが出来ないことが判明したため、これらの比較実験は行なっていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、光免疫療法の適応となりうる再発頭頸部癌の症例が少なかったため、当初予定していたFDG以外の薬剤を使用したPET-CTの撮像やナビゲーションシステムへの取り込みは行なっていない。 一方で、2021年度は光量分布集計機能を持つ「高精度光免疫治療システム」の開発に着手しており、このシステムは2022年度に予定していた「デジタルファントムを用いた照射予測域の表示」をより高い精度で可能にするものである。更に、2021年度は2022年度に予定していた非剛体画像レジストレーションの精度評価を試みており、その過程で頭頸部ファントムの開発や非金属製開口器と非金属製ガイドニードルの開発、穿刺ガイドプレートの開発に成功していることから、本研究課題は概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度の研究成果について、日本医学放射線学会(総会)で報告する。 2022年度は、実際の光免疫療法において、光免疫療法のためのナビゲーションシステム(原版)、金属アーチファクトを発生しない非金属製開口器と非金属製ガイドニードル、穿刺の精度を高めるための穿刺ガイドプレートを使用してその問題点を明らかにし、改良を加える 。 2022年度は、2021年度に開発したデバイスの意匠権または特許権の取得を目指す。 2022年度は、「高精度光免疫治療システム」に、①CT画像の読み込み機能、②ROI描画機能、③光源設定機能、④計算条件設定機能、⑤光子輸送計算機能、⑥光量分布集計機能、⑦ターゲット領域の解析機能、⑧処方光量評価、⑨熱傷リスク評価の機能を実装するべく、引き続き開発に取り組む。 2022年度は、開発したナビゲーションシステムや高精度光免疫治療システムを使用した光免疫療法の症例数を増やす。 2023年度に、その治療効果判定と学会報告を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、光免疫療法の適応症例数が想定より少なかったため、FDG以外の薬剤を使用したPET-CTを撮像しておらず、費用が発生してない。 2021年度は、新型コロナウイルスの感染防止のため学会参加はリモートで行なっており、旅費が発生していない。 2022年度は、高精度光免疫治療システムの開発と学会参加のために経費を使用する予定である。
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