研究課題/領域番号 |
21K07726
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
豊増 泰 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (00725111)
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研究分担者 |
吉田 恭子 (今中恭子) 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00242967)
野本 由人 三重大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (10252363)
俵 功 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80378380)
高田 彰憲 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80727066)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 心臓障害 / 放射線照射 |
研究実績の概要 |
がん診療において免疫チェックポイント阻害剤の使用する機会が増えている。胸部への放射線治療後の心臓障害が問題となることが、免疫チェックポイント阻害剤を併用することによる心臓障害のリスク増加が懸念されている。本研究の目的は放射線照射と抗PD-1抗体の併用することによって心臓障害が誘発・発現されるリスクを検証し、病理学的な機序を解明することである。①放射線照射単独群、②放射線照射と抗PD-1抗体の同時併用群、③放射線照射と抗PD-1抗体の異時併用群を用いてそれぞれの群での心臓(心膜や心筋)の病理学的な変化を検討する予定としており、2021年度は放射線照射単独群としてマウス(BALB/c)に対して胸部部分放射線照射モデルを用いて心臓に対して放射線照射を行った。放射線照射後にCTを撮影したのちに、サンプリングを行った。放射線照射後のCTでは心臓が放射線照射範囲に含まれていることが確認した。病理組織学的な変化を検討中である。2021年12月に実験用のCT装置は更新となり、2022年2月にX線照射装置を更新されたことから、新たなX線照射装置で実験モデルの再現性を確認する必要があり、2022年4月にマウス(BALBc)に対して放射線照射を行い、CTでは肺野の肺臓炎の出現時期や程度などある程度再現ができていることを確認した。線量増加群に対して心臓(心膜や心筋)の病理組織学的変化について検討している。CTでは心嚢水の評価が困難であったことから、心エコーを用いて検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に動物実験用のCT装置およびX線照射装置の更新があったため、実験が中断し再現性を確認する実験が追加となった。心臓への部分照射モデルでの病理組織学的検討に予定より時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
心臓への放射線照射後の病理組織学的変化を検討したのちに抗PD-1抗体の併用群についての実験をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由):病理組織学的検討に時間を要しており、抗PD-1抗体を含む薬剤の使用が当初より少なく済んだため未使用額が生じた。 (使用計画):病理組織学的検討を行うための試薬や抗PD-1抗体を含む薬剤費、成果発表のための旅費・参加費に使用する予定である。
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