研究課題/領域番号 |
21K07733
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
末吉 英純 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (40380894)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 4D / Flow analysis / MRI / 高血圧 / CT |
研究実績の概要 |
背景)高血圧の原因として原発性アルドステロン症があり、日本では潜在的に100万人ほどの予備群が存在するとされる。その検査の一つとして副腎静脈サンプリング(AVS)がある。しかしAVSの成功率は、副腎静脈の解剖学的変異により制限される可能性がある。目的)AVS前に4次元コンピュータ断層撮影(4D CT)を実施した患者を対象に、AVSの効果を検討する。方法 )2010年2月から2021年2月までにAVSを受けた患者の造影4相3次元(3D)および4D CTの画像を検討した。合計112名(女性59名、平均年齢=55.3±11.8歳)の患者が登録された。全体のうち、49.1%(55/112人)が4D CTを受けたのに対し、50.9%(57/112人)は3D CTを受けた。副腎静脈の解剖学的特徴および手技データを取得した。画像診断プロトコルとAVSの関係を明らかにするために、単純線形回帰分析を行った。結果は以下の通りである: 両群を比較すると、4Dコホートは成功率が高く(98.2%対78.9%、P = 0.001)、手技および透視時間が短かった(73.6 ± 37.3 分 vs 110.5 ± 47.9 分、P < 0.001 および 28.7 ± 31.2 分 vs. 97.4 ± 251.7 分。97.4±251.7分、P = 0.047)、放射線被曝量が少ない(243.5±315.5mGycm2 vs 613.4±674.6mGycm2 、P < 0.001 )、造影剤量が少ない( 46.2±42.7ml vs 68.3±47.4ml vs 、P = 0.014 )。単純線形回帰分析では,AVS前の右副腎静脈の同定が陽性か陰性かは、成功率(非標準化係数[UC]=0.304,標準化係数[SC]=0.304,P=0.001)および手術期間(UC=-46.124,SC=-0.318,P=0.001)に大きく影響した。 結論) 術前の4D CTはAVSの成功を促進する可能性がある。4相3D CTと比較して,このプロトコルは手術時間と透視時間を短縮し放射線量と造影剤消費量を低減する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は順調に進行しており、論文もさらに一遍完成させることができた。一つ目の論文は具体的には四次元MRを用いて、フローMRIを用いて駆出率(EF)の異なる群間で胸部大動脈血行動態パラメータの強度分布に有意差があるかどうかを調べ、各パラメータの関係を検討し報告した。もう一遍の論文は高血圧の原因として原発性アルドステロン症にたいする四次元CTの応用についてである。
|
今後の研究の推進方策 |
さらに症例を増やし検討する。肺高血圧などについても検討を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
4D解析のソフトウェアおよび解析PCはまだ購入することがなく研究可能であったため、差額が生じた。今後、現在使用しているソフトウェアのライセンスが終 了し、新たなソフトウェアが必要であるため購入予定である。またその際に新たな解析PCが必要なため購入予定である。
|