研究課題/領域番号 |
21K07751
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
岡西 徹 鳥取大学, 医学部, 准教授 (00510273)
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研究分担者 |
藤本 礼尚 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション科学研究科, 臨床教授 (30872064)
大栗 聖由 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (70791078)
前垣 義弘 鳥取大学, 医学部, 教授 (80252849)
金井 創太郎 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (80836916)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳波解析 / てんかん分類 / 治療 / 病態解明 / 周波数解析 |
研究実績の概要 |
今回の研究における手法として、コンピューター解析による脳波の性質を調べるためのソフトウエアの確立が重要であり時間がかかる。この前段階の解析のためのソフトはすでに確立してきており、いくつかの症例で実際に解析をトライして、論文化を進めている。 1つ目は、小脳腫瘍摘除後の無言症とよばれる、脳機能の低下を起こす疾患をもった患者における脳波周波数解析とその周波数帯域ごとのパワーの変化を検証し、臨床情報に合致したと思われる結果を得たためまとめて、Brain and Development誌にて発表され成果を得た(doi: 10.1016/j.braindev.2022.06.006.)。 2つ目は急性脳症とよばれる、脳の機能異常を起こす疾患の脳波周波数の解析を行い、同様にパワーおよび接続性において、予後と関連する結果を得たため、現在投稿前の論文のまとめ最終段階にある。 3つ目はWest症候群における脳波によるACTH療法の予後予測をする研究であり、脳波の接続性と速波パワーにより予後を予見できることを証明し、Clinical neurophyisiologyに掲載された(doi: 10.1016/j.clinph.2022.10.004. )。 4つ目は”中心側頭部に速波をもつ小児てんかん”という疾患が頭皮脳波により予後予測を可能であるということを証明し、Yonago Acta Medicaにて発表した( doi: 10.33160/yam.2023.02.006. )。 5つ目が、本幹の研究であるが、特発全般てんかんを中心とした脳波と治療予後の相関を調べる研究においては、脳波データについて各研究協力者から得ており、現在、脳波解析ソフトを用いて解析を進めているところである。最適な解析方法を模索中であるため、まだしばらく時間がかかる段階である。今後再度ソフト開発担当の研究分担者と相談し、よりよいソフトの開発を行ってゆく段階にある。また、データもまだ全員分は得られておらず、現在収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定している研究内容の3つの内の2つはすでに完了して、3つ目の段階であるが、現時点で予定よりも最適なソフトの模索に時間がかかる状況にある。各研究協力者と協議を重ね、より良いソフト開発を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
周波数解析のソフトウエアを実際に研究目的に沿った、てんかんの鑑別と適応薬剤との相関を見極めるものになるよう、調整し、解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で外部に出にくい状況が続き、研究連携が行いにくかったこと、海外含め、学会出張がしにくかったことが残金の理由として挙げられる。次年度は海外出張や研究者同士の交流を含めて再開する予定であり、資金を順次使用する予定である。また、研究を延長する場合には補助事業期間の延長申請を行う予定である。
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