研究実績の概要 |
高リスクB-ALL患者より同定したSPAG9::JAK2融合遺伝子をdoxycycline依存性に発現するBa/F3細胞を作成し、STAT1の恒常的リン酸化が、SPAG9::JAK2の細胞増殖活性に重要である事を明らかにし、BCL2およびMCL1阻害剤がJAK2阻害剤と相乗的に作用し、SPAG9::JAK2の細胞増殖活性を抑制する事をin vitroで証明した(Mayumi A, Imamura T. Cancer Gene Ther 2022 doi: 10.1038/s41417-022-00511-z) 。 また、高リスクB-ALL患者より同定したETV6::FRK融合遺伝子を、doxycycline依存性に発現するBa/F3細胞を作成し、細胞増殖活性にSTAT1, STAT3, STAT5の恒常的リン酸化が関係する事を明らかにし、dasatinibがETV6::FRKを導入したBa/F3細胞の増殖を抑制する事を、in vitroおよびin vivoの実験系で証明した(Mayumi A, Imamura T, et al. eJHeam 2023 DOI: 10.1002/jha2.701)。 さらに、難治性AMLの発症と関連するNUP98::NSD1融合遺伝子の機能解析のため、恒常的にNup98::Nsd1を発現する32D細胞を作成し、作成した細胞の発現アレイ解析や表面マーカー解析を行い、Nup98::Nsd1が32D細胞のCD123(IL3RA)の発現を誘導し、IL-3存在下での細胞増殖活性が上昇する事を明らかにし、標的治療の可能性を示した(Okamoto K, Imamura T, et al. Int J Hematol 2023 in press) 。
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