研究課題/領域番号 |
21K07761
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
河村 吉紀 藤田医科大学, 医学部, 講師 (30581475)
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研究分担者 |
井平 勝 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (10290165)
小澤 慶 藤田医科大学, 医学部, 助教 (10837545)
東本 祐紀 藤田医科大学, 医療科学部, 講師 (20569701)
吉川 哲史 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80288472)
平松 裕之 藤田医科大学, 医学研究科, 研究員 (80623206)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヒトヘルペスウイルス6B / 内側側頭葉硬化症 / 内側側頭葉てんかん / RNA-Seq / トランスクリプトーム解析 / プロテオーム解析 |
研究実績の概要 |
突発性発疹症の原因ウイルスであるhuman herpesvirus 6B(HHV-6B)は成人の難治性てんかんに含まれる海馬硬化(MTS)による内側側頭葉てんかん(MTLE)発症への関与が示唆されている。本研究ではトランスクリプトームおよびプロテオーム解析を行うことで、HHV-6Bが関連したMTS発症にかかわる候補分子を同定する。 はじめに、海馬104検体および扁桃体30検体からリアルタイムPCRによるHHV-6の検出を行った。海馬では25検体(24.0%)でHHV-6が検出され、病理所見で比較したところ、MTS22/79検体(27.8%)、非MTS3/25検体(12.0%)でHHV-6が検出され、既報と同様にMTSでHHV-6の検出率が高かった。扁桃体では6検体(20%)でHHV-6が検出され、MTS3/16検体(18.8%)、非MTS3/14検体(21.4%)でHHV-6の検出率に差はなかった。 それぞれ海馬および扁桃体のMTS-HHV-6検出群、非検出群、健常脳の6群で各2検体を年齢、性を一致させて抽出し、トランスクリプトーム解析を行った。主成分解析において海馬、扁桃体共にMTS-HHV-6検出群、非検出群、健常脳で遺伝子発現の傾向に差が認められた。ヒートマップ、ボルケーノプロット解析により各群に特徴的な遺伝子発現を13項目抽出した。これらの遺伝子発現を多数検体で検証する予定である。 また、プロテオーム解析においては、それぞれ海馬のMTS-HHV-6検出群6検体、非検出群5検体、健常脳4検体、扁桃体のMTS-HHV-6検出群3検体、非検出群6検体、健常脳3検体を解析した。トランスクリプトーム解析と同様に主成分解析で異なるタンパク発現の傾向が認められた。上記と同様の解析により2項目の特徴的な蛋白発現をピックアップしたため、これらをELISAを用いて多数検体で検証予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年の研究期間のうち2年間でトランスクリプトーム解析およびプロテオーム解析により、HHV-6の関与する内側側頭葉硬化症発症に関与する可能性のある遺伝子発現および蛋白発現の候補を抽出することができた。最終年度の2023年にこれらの候補項目を多数検体でRT-PCRおよびELISA法にて検証予定である。2023年度1年間でこれらの検証は可能と考えられ、おおむね順調に進呈していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、トランスクリプトーム解析およびプロテオーム解析により、抽出されたHHV-6の関与する内側側頭葉硬化症発症に関与する可能性のある遺伝子発現および蛋白発現の候補について、多数検体でRT-PCRおよびELISA法にて検証予定である。
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