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2023 年度 実績報告書

赤血球分化における転写因子IRX1の機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K07766
研究機関弘前大学

研究代表者

佐藤 知彦  弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (70587005)

研究分担者 土岐 力  弘前大学, 医学研究科, 講師 (50195731)
金崎 里香  弘前大学, 医学研究科, 助教 (60722882)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードダウン症候群に伴う骨髄性白血病 / IRX1 / MYC
研究実績の概要

ダウン症候群に伴う骨髄性白血病(ML-DS)の大規模遺伝子解析を行い発見された新規ドライバー遺伝子のうち、これまでヒトの悪性腫瘍で変異の報告のない遺伝子であったIRX1の機能解析を行うことを本研究の主たる目的として研究を開始した。
ML-DSに認められたIRX1変異は、変異パターンよりほとんどが機能喪失変異と考えられた。IRX1変異陽性のML-DS細胞株を見つけることができたため、この細胞株に野生型IRX1を発現させることでIRX1の機能解析を行った。結果、野生型IRX1を発現させたIRX1変異陽性ML-DS細胞株はその増殖が抑制され、巨核球・赤血球系へ誘導されることを明らかにした。これはIRX1が血球増殖、血球分化に関与していることを示すはじめての報告であると同時に、IRX1がML-DSの腫瘍抑制因子として働いていることを示唆するものであった。そこで、次にRNA-Seqを行い、IRX1はMYCパスウェイを抑えることで腫瘍抑制因子として働いていることを証明した。実際、MYCの発現を抑制するBRD4阻害薬は、ほかのAML細胞株に比較してML-DS細胞株の増殖を強く抑制することも証明した。
IRX1で証明した上述の事柄について、同じく新規に発見された遺伝子、ZBTB7Aでも同様の解析を行い、IRX1と同様の機序でML-DSの発症に関与していることを証明した。
大規模遺伝子解析を行ったML-DS症例のうち、同一のプロトコールで治療された177例について遺伝子変異と予後の解析を改めて行い、予後不良に関係するドライバー遺伝子(CDKN2A、TP53、ZBTB7A、JAK2)を発見した。特にCDKN2Aの欠失とTP53変異は最大の予後不良因子であった。
これら新規ドライバー遺伝子の発見、予後不良因子の同定は今後のML-DSの新たな治療法開発に寄与すると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Landscape of driver mutations and their clinical effects on Down syndrome-related myeloid neoplasms2024

    • 著者名/発表者名
      Sato Tomohiko、Yoshida Kenichi、Toki Tsutomu、Kanezaki Rika、Terui Kiminori、Ogawa Seishi、Ito Etsuro
    • 雑誌名

      Blood Journal

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1182/blood.2023022247

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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