研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は最近発見された遺伝性自己炎症性疾患の責任遺伝子のうち、IL36RN、TNFAIP3、PSMB9、SAMD9L、IKBKG遺伝子について、病的意義不明バリアントの評価実験系を構築することである。本研究により患者由来生体試料を用いることなくHEK293系統の培養細胞を利用して患者で検出された遺伝子変異を評価するためのin vitro実験系が構築された。また一方で、IL-36リガンド受容体複合体構造解析については、機能的にはIL-36αによる活性をIL-36Raタンパクが阻害できることは確認できているが、リガンドとの結合能を保持したIL-36受容体タンパクの作成が課題として残った。
小児科学
本研究により、IL36RN, TNFAIP3, IKBKG, PSMB9, SAMD9Lそれぞれの遺伝子のバリアントの病的意義の判定を行う、in vitro実験系が構築できた。今後、別途実施中あるいは実施予定の全国症例実態調査や新規に発生した疑い症例で見出された病的意義不明遺伝子バリアントについて、本法を用いることで患者由来生体試料を用いることなく病的意義の判定が可能となった。適切な確定診断を行うことで、効果的な治療を行うことにつながると考えられる。