研究課題
①ロタウイルス胃腸炎の入院数は、2020年が11例、2021年が0例、2022年が9例であったが、2023年も3例と、COVID-19による学校閉鎖(2020年3月-5月)後の著明に減少した状態が持続していた。また、2020年10月にロタウイルスワクチンが定期接種化されたが、この減少持続がワクチンの有効性によるものか、COVID-19流行や感染対策による効果かについての判断は困難であるが、ノロウイルス胃腸炎、インフルエンザ、RSやヒトメタニューモウイルス感染症など多くのウイルス性疾患の再流行も起こっているため、ロタワクチン定期接種化による影響が大きく関与している可能性も高いと思われた。②ロタウイルス胃腸炎の減少は2023年も継続しているが、2020-2022年の急性胃腸炎入院患者の91便検体の解析において、ロタウイルスは2例(G8株、ワクチン株)同定された。③札幌市の定期接種化後(1年6か月)における、生後15週0日を超えてのロタウイルスワクチン初回接種率は0.8%(140/16,843)であった。この割合はロタウイルスワクチン市販後調査での8%(21,567)の1/10程度の水準であり、定期接種化後における初回接種の推奨生後週数の遵守傾向が明らかとなった。④腸重積症の入院数は、2017年が34例、2018年が29例、2019年が31例、2020年が27例、2021年が21例、2022年が19例と減少傾向であった。
すべて 2023
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Acta Paediatrica
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