• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 研究成果報告書

乳児に発症する炎症性腸疾患と造血不全の原因となる新たな単一遺伝子疾患の確立

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 21K07787
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関国立研究開発法人国立成育医療研究センター

研究代表者

竹内 一朗  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児内科系専門診療部, 医員 (30790000)

研究分担者 鳴海 覚志  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (40365317)
阿久津 英憲  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生殖医療研究部, 部長 (50347225)
秦 健一郎  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期病態研究部, シニアフェロー (60360335)
石黒 精  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 教育研修部, 部長 (90222984)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード遺伝性疾患 / 先天性貧血 / 炎症性腸疾患 / ポリメラーゼε / TP53
研究成果の概要

原因不明の先天性貧血と生後早期に発症した炎症性腸疾患、および低身長と発達遅滞を呈する女児から検出されたPOLE遺伝子変異は、ポリメラーゼε (Polε)を構成する4量体のひとつであるPOLE1タンパクの発現低下と核内移行障害の原因となり、TP53の発現亢進につながることが明らかとなり、動物実験でも貧血が再現された。本研究によって検出されたPOLE遺伝子変異が機能喪失型変異であることが解明され、Polε異常によるDNA合成障害と強い細胞ストレスの結果として各症候が生じたことが明らかとなった。本結果を元にPOLE遺伝子を原因とする先天性貧血と炎症性腸疾患を呈する新たな症候群を提唱すべく論文化した。

自由記述の分野

小児科

研究成果の学術的意義や社会的意義

患者から同定されたPOLE遺伝子変異はこれまでに報告のないエクソン部位に位置する変異であり、Polεに重度の機能障害をもたらした結果、生体内では造血障害と腸の恒常性破綻につながることが初めて明らかになった。POLE遺伝子異常による疾患スペクトラムの重症型として先天性貧血とIBDが生じ得ることが報告されたため、POLE遺伝子が同様の表現型を呈する患者の遺伝子検査の対象となり、本症候群の早期診断につながる可能性がある。さらに、患者の先天性貧血と炎症性腸疾患が造血幹細胞移植によって根治されたことから、早期診断によって予後の向上につながることが示唆された。

URL: 

公開日: 2025-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi