研究課題/領域番号 |
21K07789
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研究機関 | 社会医療法人愛仁会高槻病院(臨床研究センター) |
研究代表者 |
長坂 美和子 社会医療法人愛仁会高槻病院(臨床研究センター), 成育医療研究室, 研究員 (70723998)
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研究分担者 |
池田 真理子 (谷口) 藤田医科大学, 大学病院, 准教授 (00410738)
加藤 武馬 藤田医科大学, 総合医科学研究所, 助教 (20387690)
粟野 宏之 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (30437470)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 福山型筋ジストロフィー / ロングリードシークエンサー / SVA / レトロトランスポゾン |
研究実績の概要 |
福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)は胎児期発症の重度の筋ジストロフィーに脳の形成異常や眼奇形を伴う本邦に特に多い小児難病で、本邦における患者数約2000人の劣性遺伝病である。すべての患者がフクチン(FKTN)の3’非翻訳領域にレトロトランスポゾン(SINE-VNTR-Alu;SVA)挿入変異をもつ。FCMDはその挿入変異が引き起こすスプライシング異常症である。これに対しアンチセンス療法が本邦にて開発され、治験に向け準備中である。治療法開発に伴い、早期診断・早期治療の重要性が高まってくることが予想されるが、SVA挿入変異の詳細な配列の検出はその複雑な核酸配列により容易ではなく、また罹患者の15%は複合へテロ型変異を有するため、現在の診断法には限界がある。そこで本研究では、ゲノム編集技術、ロングリードシークエンサーを駆使して迅速・正確・ロバストなFCMD患者の遺伝学的検査法を確立し、早期診断・治療に役立てることを目指す。 今年度はロングPCRによるフクチン遺伝子の解析を多検体で行う予定であったが、まだ施行は数検体のみである。次にロングリードシークエンサーであるナノポアシーケンサーを用いてSVA配列の解読を45名の患者検体で行い、Miseqによるシーケンス補正を行った。多型について現在、確認中である。また患者尿検体を用いた疾患筋樹立のために、尿由来幹細胞の樹立を行った。今後、筋への分化誘導を行う予定である。尿由来の幹細胞は非侵襲的で安価、簡便であり、本邦で開発されたアンチセンス療法についての治療効果判定に役立つ可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19流行のため実験が予定通りにすすんでいない。
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今後の研究の推進方策 |
COVID19の流行状況を見ながら、他施設の分担医師と連携を取りながら進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はCOVID19流行のため実験計画が遅延しており、物品購入、ミーティングや学会発表などの旅費が少なかった。 COVID19の状況も落ち着いてきており、次年度は計画を進める速度を速め、実験のための物品購入や発表・ミーティングのための旅費に充足する予定である。
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