研究課題
昨年、小児SLE患者と家族について全エクソームシークエンス解析を行った結果、5人の患者(3家系)において、発症者特異的にRelAのヘテロ変異を見いだし、機能解析を施行した。1)新たに6人目の新規患者を同定することができた。新規変異についても、患者由来RelA遺伝子変異の機能解析のため、ウェスタンブロッティング、レポーターアッセイなどを施行した。それにより、新規変異もドミナントネガティブ変異であることが証明された。2) 6人の患者の全血から抽出したRNAを用いてqPCRを施行し、IFN signatureの検討を施行したところすべての患者においてType1 IFNの亢進が認められた。現在、その責任細胞の同定のためにシングルセルRNAシークエンスを施行している。3) RelA異常とIFN signatureの関連の検討:RelAの全ての変異体やWTをHEK-T細胞(RelAをノックアウトしたHEK-T細胞を樹立済み)に導入し、IFN-β下でのプロモーター活性を測定した。興味深いことに、IFN-β promote activityはドミナントネガティブに阻害するということがすべての変異体でで確認することができた。これまでの研究成果は、学会発表(日本人類遺伝学会2021、日本小児科学会2021)を行い、患者検体のリクルートを継続している。また、RelA異常症についてはシングルセルRNAシークエンスの結果も考慮して、今年度中に論文投稿を検討している。また、新規責任遺伝子の同定を含めたSLEの原因遺伝子同定を試み、それぞれの遺伝子異常に応じた治療戦略の構築を図る基礎を構築中である。
2: おおむね順調に進展している
新型コロナウィルスの影響はあったが、新規患者のリクルートが進んでいる。また、Type1IFN亢進のメカニズムは仮説の通りであり、証明することができた。
RelA異常症については、シングルセルRNAシークエンスの結果も考慮して、今年度中に論文投稿を検討している。また、新規責任遺伝子の同定を含めたSLEの原因遺伝子同定を試み、それぞれの遺伝子異常に応じた治療戦略の構築を図る基礎を構築をしていく。
新型コロナウィルスの流行により、外来患者受け入れ制限があり、患者検体のリクルートに少し時間がかかってしまったため。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (2件)
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