研究課題/領域番号 |
21K07792
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
中田 光政 千葉県がんセンター(研究所), その他部局等, 主任医長 (90375775)
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研究分担者 |
菱木 知郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00375776)
長田 健介 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, グループリーダー (10396947)
小松 秀吾 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60436417)
照井 慶太 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (70375773)
弓場 英司 大阪公立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80582296)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 神経芽腫 / drug delivery system / MRI |
研究実績の概要 |
【背景】高リスク神経芽腫では治療を反復すると治療抵抗性が出現し,難治性微小病変が残存するものの,抗がん剤の副作用や晩期障害を考慮した治療の制限があり,真の完全寛解が得られないという大きな問題点がある.そのため従来とは異なった治療アプローチを開発することは喫緊の課題である. 【目的】神経芽腫微小残存病変の画像診断による精密可視化と,drug delivery system(DDS)を利用した新規治療法の開発を行う. 【方法】①神経芽腫骨髄転移モデルマウス作成:NOGマウスに神経芽腫細胞株SK-N-SHを5×106/100ul 尾静注し,3-4週間で骨髄転移をHE染色で確認した.②7テスラの高磁場MRIによる微小骨髄転移巣の精密可視化:神経芽腫細胞株SK-N-SH投与後4週の神経芽腫骨髄転移モデルマウスに対し,大腿骨の単純撮影,低分子造影剤による造影MRIによる造影MRIを施行した.③②と同様の実験をDSS型造影剤にて施行した.まず,神経芽腫細胞株にNCAMが発現していることをFACSを用い確認した.DDS型造影剤が腫瘍転移巣に集まるようにNCAM抗体を造影剤に結合させて造影MRIを施行した.また,病理組織学的にDDS型造影剤と腫瘍細胞が結合していることを示すためにNCAM抗体とさらに蛍光標識し,大腿骨の非脱灰凍結切片で評価した. 【結果】①神経芽腫骨髄転移は14匹中14匹と100%に認められた.また,脳,肝臓,副腎,腹膜播種も認められた.②単純撮影,低分子造影剤,DDS型造影剤全てにおいて300-500μmの転移巣の描出は同程度であった.③抗NCAM抗体DDS型造影剤において転移巣の描出は②と同様に単純撮影,低分子造影剤と比較して変わりなかった.蛍光標識した場合では腫瘍に集積は認めなかった 【考察】300-500μmの転移巣はマウスの大腿骨では比較的大きな転移であり,さらに早期における微小転移の描出能の比較を行っていく.また,抗NCAM抗体DDS型造影剤が腫瘍と結合しやすい条件を検討する必要がある
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MRI単純撮影においても神経芽腫細胞株の骨髄転移巣がはっきりと描出されたため,Drug Delivery Systemを利用した造影MRIの効果が不明瞭な結果となったた め,さらにDrug Delivery Systemを利用した造影MRIの優位性を示すために実験の条件を微小転移に変更する必要があった. また,Drug Delivery Systemを利用した造影MRIの効果をあげるため,抗NCAM抗体を造影剤に結合させて抗原抗体反応により腫瘍に集積するようにしたが,うま く集積が得られず,条件検討を要している.
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今後の研究の推進方策 |
抗NCAM抗体を結合させた造影剤がin vitro1において細胞株に結合しやすいような条件を検討し,再度in vivoで実験を反復する.
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次年度使用額が生じた理由 |
造影剤のin vitro,in vivoでの条件検討に時間がかかり,全体の実験計画が遅滞した.条件が整えば,反復して実験を行う.
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