研究課題/領域番号 |
21K07794
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 義朗 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (30435862)
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研究分担者 |
飛田 秀樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00305525)
湯川 博 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任教授 (30634646)
小野田 淳人 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 助教 (70835389)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小脳 / 慢性肺疾患 / 周産期脳障害 |
研究実績の概要 |
前年度、行動学的異常を示した慢性肺疾患(CLD)モデルを用いて、小脳の組織学的評価を行った。 急性期の組織学的評価として、日齢7に採取した小脳組織で小脳半球全容積に対する外顆粒層の割合と日齢6にBrdU(5-bromo-2’-deoxyuridine)をラットの腹腔内に投与後日齢10で採取し、抗BrdU抗体を用いた免疫組織化学的染色を試行した小脳組織で外顆粒層内縁に残存している抗BrdU抗体陽性細胞数および内顆粒層における抗BrdU抗体陽性細胞数を評価した。CLD群ではコントロール群と比較して有意に小脳半球全容積に占める外顆粒層の割合が高かった。また、CLD群ではコントロール群と比較して有意に外顆粒層内縁に残存している抗BrdU抗体陽性細胞数が多く、内顆粒層における抗BrdU抗体陽性細胞数が少ない傾向を認めた。以上のことから、CLD群では外顆粒層から内顆粒層への細胞遊走が遅延している可能性が示唆された。 慢性期の組織学的評価として、小脳体積やミエリン塩基性蛋白の発現領域の割合、プルキンエ細胞数やプルキンエ細胞の樹状突起の長さや直径を評価した。CLD群ではコントロール群と比較して有意に小脳体積が小さかった。CLD群ではコントロール群と比較して有意にミエリン塩基性蛋白の発現領域の割合が少なかった。また、プルキンエ細胞数に関しては両群間に有意な差は認めなったが、CLD群ではコントロール群と比較して有意にプルキンエ細胞の樹状突起の長さや直径が短かった。以上のことから、CLD群では髄鞘化の低下やプルキンエ細胞の樹状突起の発達異常が示唆された。
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