原発性免疫不全症(PID)は、免疫関連遺伝子の異常により重篤な感染性や難治性炎症を来たす予後不良の先天性疾患群である。根治療法として造血細胞移植が施行され、分子標的諜報や遺伝子治療も開発されているが、予後改善には新生児スクリーニングによる発症前診断が不可欠である。 現在、代謝性疾患を中心とした新生児スクリーニングが乾燥ろ紙血(DBS)検体を用いて行われているが、本研究により同じDBS検体を用いたプロテオミクス解析により様々なPID疾患に対するスクリーニング検査の可能性が示された事により、新生児スクリーニング対象疾患の拡大と早期診断・治療による予後改善に繋がることが期待される。
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