研究実績の概要 |
21年度までの実績:MCMV-e1-proにおいて転写開始点からnt -172までがMCMV-IE3結合によるe1-pro活性化に必須とされている.しかし,nt -1000までにIE3結合モチーフが35個存在していることから,これらの結合モチーフがIE3結合によるe1-pro活性化にどの程度関与するかについて検討を行った.転写開始点から,nt -943, nt -839, nt -556, nt -449, nt -193までのe1-pro領域を欠損したe1-proレポータープラスミド,p-e1proΔ943-EGFP, p-e1proΔ839-EGFP, p-e1proΔ556-EGFP, p-e1proΔ449-EGFP, p-e1proΔ193-EGFPを作成した. 22年度実績:上記のプラスミドをpcDNA-MCMV-ie3と共にHEK293T細胞に導入し,EGFP発現を比較した.その結果,p-e1proΔ943-EGFP, p-e1proΔ839-EGFP導入細胞では,EGFP発現は極僅かであった.しかし,p-e1proΔ556-EGFP導入細胞で急激な発現増を認め,p-e1proΔ449-EGFP, p-e1proΔ193-EGFPでは暫時発現が増強していった.従って,nt -839までの上流域に存在するIE3結合モチーフもe1-pro活性化に関与し得ることが明らかとなった.このことからnt -449からnt -1373に存在する神経細胞特異的エンハンサーの作用にIE3の結合が関わると推測された.また,核移行シグナルの付いたAcGFP1を組み込んだMCMV作製を試みた.具体的にはpLtRt(NheI-)-e1pro1.4-EGFPをNheI/EcoRV Diggestionして,PCR増幅したAcGFP1-NucをNheI/EcoRV siteに組み込んで,pLtRt(NheI-)-e1pro1.4-AcGFP1-Nucを作製した.このトランスファープラスミドから相同組み換え用カセットを切り出し,相同組み換えによって,rMCMV-1373-nucとrMCMV-448-nucを作製することができた.
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