研究実績の概要 |
22年度までの実績:転写開始点から,nt -943, nt -839, nt -556, nt -449, nt -193までのe1-pro領域を欠損したe1-proレポータープラスミド,p-e1proΔ943-EGFP, p-e1proΔ839-EGFP, p-e1proΔ556-EGFP, p-e1proΔ449-EGFP, p-e1proΔ193-EGFPを作成した.その結果,e1Pro領域のnt -449からnt -1373に神経細胞特異的エンハンサーが存在し,この活性化にIE3の結合が関わると推測された.また,核移行シグナルの付いたAcGFP1を組み込んだMCMV作製を試みた.具体的にはpLtRt(NheI-)-e1pro1.4-EGFPをNheI/EcoRV Digestionして,PCR増幅したAcGFP1-NucをNheI/EcoRV siteに組み込んで,pLtRt(NheI-)-e1pro1.4-AcGFP1-Nucを作製した.このトランスファープラスミドから相同組み換え用カセットを切り出し,相同組み換えによって,rMCMV-1373-nucとrMCMV-448-nucを作製した. 23年度実績 上記の結果から,MCMV-e1-pro領域で,転写開始点に対してnt -1373 もしくは -448 から + 38の配列を挿入したe1-pro-1373-EGFP-SV40polyA及びe1-pro-448-EGFP-SV40polyAカセットを作製した(各々のカセットの両端には相同組換えに必要な約1kbpのflanking配列を含む).後者はIE3がe1-proを活性化するのに必要最小限の領域を含むが,前者はこの必須領域に加え推定される神経細胞特異的なエンハンサー領域を含む.それぞれのカセットをMCMV感染した線維芽細胞にFugene 6を用いたリポフェクションを行うことで,相同組換えを行った.この結果e1-pro活性化がEGFP発現で認識できる遺伝子組換えウイルス,rMCMV1373とrMCMV448を作製することができた.また,同様の方法で,バクテリオファージのCreリコンビナーゼをMCMVゲノムに組込んだrMCMV-Creも作製した.
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