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2023 年度 実施状況報告書

生理的黄疸の中枢神経作用メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K07818
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

森宗 孝夫  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50895539)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード核黄疸 / 生理的黄疸 / ビリルビン
研究実績の概要

ヒト化UGTマウス(hUGTマウス)は当初予定していたより核黄疸に伴う死亡割合が高く継代が困難であり、過去の文献との相違について検討を重ねたが明らかな違いは判明しなかった。本来hUGTマウスは8割が生存するとの報告であったが、同一の遺伝的バックグラウンドがあるにも関わらず、2割しか生存せず、8割はけいれんを起こすなどして死亡した。当初より生理的黄疸がなぜヒトで起こりえるのかを中枢神経への影響を調べることで明らかにすることを目的としていたため、マイルドな血清ビリルビン上昇にさらされるマウスの作成を再検討する必要が生じた。ヒトと同様のビリルビン上昇を示し生存するマウスでも行動が緩慢になるなど何かしらの中枢神経作用が見られることも考慮し、hUGTマウスのビリルビン値の核黄疸となる閾値がヒトと異なる可能性が考慮されることから、本来の生理的黄疸の存在下で光線療法を行いピーク値を下げたものを、ビリルビンの上昇を伴うマウスモデルとして使用することで検討することとした。臨床で使用している光線療法デバイスであるネオブルーを用いてある程度マウスの動きに問題が生じない範囲にビリルビン値を調整したマウスを作成し、これを比較対象とする検体とする方針に切り替え、データを蓄積している。このため当初予定していた実験計画がさらに遅延している状態である。また、副次的に核黄疸の脳障害の影響を画像評価することも検討しており、頭部MRIの撮像を7T MRIで行うことを計画していたが、デバイスのトラブルで進行することができていない。今後3T MRIを使用して再度検討する方向としている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本来文献にあったマウスの状態が実際に飼育したものとで異なっており、その検索と対処法に時間がかかってしまっている。これは前提にあったヒト化UGTマウスの生存率が8割と文献には記されているが、遺伝的バックグラウンドが全く同一であるにも関わらず、2割しか生存できないことに起因しており、前提が大きく異なったため、どう研究を修正するか検討するのに時間がかかっているためである。
また、家庭の事情もあり、研究時間が十分にとることができなかった影響も研究遅延に多大に影響している。

今後の研究の推進方策

本年は光線療法を利用したヒト化UGTマウスを核黄疸にならないビリルビン上昇にさらされたマウスとして使用し、当初の予定通りトランスクリプトーム解析を行い、新規メカニズムの探索を継続する予定である。また、頭部MRIの撮像についても追加で検討を行い、どの領域の障害が起こっているのかを画像上で評価したく考えている。

次年度使用額が生じた理由

前提となるマウスの生理的基盤の調整のため本来使用するべき実験が行えなかったこと、また研究実施者の家庭の事情もあり実験に費やす時間の確保が困難であったため。

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公開日: 2024-12-25  

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