研究課題/領域番号 |
21K07822
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
馬場 健児 岡山大学, 大学病院, 准教授 (40721767)
|
研究分担者 |
平井 健太 岡山大学, 大学病院, 医員 (50814224)
西堀 正洋 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特命教授 (50135943)
逢坂 大樹 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70839141)
王 登莉 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40815693)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 川崎病 / HMGB1 / HRG |
研究実績の概要 |
2021年度は、川崎病急性期患者における血中HMGB1、HRG濃度の測定において大きな成果が得られた。予定していた人数で川崎病急性期患者における治療前と初回治療後の血漿検体採取が終了し、コントロールとして健常者の検体と血中HMGB1、HRG濃度の比較を行ったところ、川崎病患者では健常者に比べて血中HMGB1が有意に高値、血中HRGが有意に低値であった。さらに川崎病患者を初回治療反応群、不応群に分け、治療前後の血中HMGB1、HRG濃度の変化についても詳細な解析を行い、論文投稿の準備を進めている。 また川崎病モデルマウスの実験に関しては、Lactobacillus cell wall extract(LCWE)を作成し、マウスに腹腔内投与することで、川崎病様の冠動脈炎が惹起されることを確認した。しかし個体によって冠動脈炎の程度にばらつきが大きかったため、同様に川崎病冠動脈炎を惹起するCandida albicans water soluble fraction(CAWS)を用いるモデルについても検討を行った。CAWSを作成してマウスに腹腔内投与したところ、LCWEよりも安定してモデル作成ができることが明らかとなったため、以後の検討ではCAWSを腹腔内投与するモデルを使用することとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
川崎病急性期患者の血中HMGB1、HRG濃度の測定において予定患者数の検体採取が終了し、解析において有意な成果が得られ、論文投稿の準備段階まで進行できたため。また川崎病モデルマウス作成の条件検討を行い、安定して冠動脈炎を惹起できる条件設定に至ったため。
|
今後の研究の推進方策 |
川崎病急性期患者の血中HMGB1、HRGを初回治療不応予測マーカーとして利用できるかにつき詳細に解析を行い、論文発表を行う。またCAWSを腹腔内投与する川崎病モデルマウスを用いて、抗HMGB1抗体やHRGに川崎病冠動脈炎の抑制作用があるかにつき検討を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
川崎病モデルマウスが安定して作成できる条件検討を行い、炎症惹起物質を当初予定していたLCWEからCAWSに変更する必要があり、2021年度はその後のin vitro, in vivo実験に進むことができなかったため。使用計画については、次年度にin vitro, in vivo実験等に必要な費用に充当する予定である。
|