研究課題
川崎病急性期患者における診断バイオマーカーとしての有用性を検証するため、血中HMGB1とHRG濃度を測定した結果をまとめた。川崎病患者の治療前検体では、健康対照群と比較して血中HMGB1が有意に高値、HRGは有意に低値であった。また、治療反応良好群では血中HMGB1が治療前後で有意に低下するのに対して、治療反応不良群では血中HRGが治療前後で有意に低下していた。さらに、治療反応良好群と治療反応不良群においてHMGB1とHRGのsubacute/acute ratioを比較したところ、治療反応不良群ではHMGB1は有意に上昇、HRGは有意に低下しており、HMGB1とHRGが川崎病のバイオマーカーとして有用である可能性が示唆された。またin vitro実験において、LCWEをTHP-1に添加することで川崎病様の炎症を惹起し、抗HMGB1抗体やHRG前投与の有無による炎症抑制効果を評価した。抗HMGB1抗体はコントロールIgGと比較して、自然免疫応答に関与するケモカインであり好中球走化因子であるIL-8の有意な発現低下を認めた。IL-1βとTNFに関しては、抗HMGB1抗体やHRG前投与の有無で有意差はなかった。
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