研究課題/領域番号 |
21K07839
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
松田 直 三重大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (50361100)
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研究分担者 |
齋藤 昌利 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00451584)
埴田 卓志 東北大学, 大学病院, 講師 (30400360)
佐藤 信一 東北大学, 大学病院, 助手 (30770359)
池田 秀之 東北大学, 大学病院, 助手 (40822888)
渡邊 真平 東北大学, 大学病院, 助教 (70509413)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヒツジ / subplate / 胎児 |
研究実績の概要 |
本研究は胎生期の脳subplate層に焦点を当て,炎症と虚血ストレスがsubplate層に髄鞘化の過成熟反応を誘導することを,ヒツジ胎仔を用いた動物実験で組織病理学,画像診断学,電気生理学的な解析によって証明する.同時にsubplate層の髄鞘化障害が脳回形成を変化させるかどうかも検証する. 実験前にヒツジ胎仔を対照群,炎症群,低酸素群に分ける.妊娠95日の母獣に全身麻酔を行い,母獣の子宮を切開し,胎仔の頚動脈,羊水腔内にカテーテルを,胎仔の側頭皮下に脳波電極を留置する.またその際に低酸素群の胎仔のみ,臍帯動脈を1本結紮し,その後に胎仔を子宮内に戻して閉腹する.以後は胎仔動脈圧,羊水内圧,脳波を連続監視する.また24時間毎に動脈血血液ガス分析を行い,3群の動脈血酸素分圧,血中乳酸値を比較する.炎症群の母獣には,妊娠99日にリポポリサッカロイド 5 mgを羊水内に注入し,子宮内炎症を誘発する.妊娠105日に帝王切開で娩出した胎仔を剖検に供し,脳を灌流固定する.後日固定された脳は脱ホルマリン処置後にMRIを用いて検索する.またびまん性脳白質損傷とsubplate層の髄鞘化はグリア特異抗体 (NG2,O4,CNPase,PLP,GFAP) による免疫染色にLEA染色とTUNEL染色を加えて診断する.これらの結果から脳波解析においてsubplate層に特異的とされるdelta brushの異常と組織学的なsubplate層の細胞群の損傷と皮質形成異常の関連を統計学的に解析する. 令和3年度は羊水中でのノイズ対策と測定精度の向上のため,皮下埋込部分での電位増幅が可能な機器を選定して胎児脳波の測定を試みた.delta brushを検出可能かどうか解析中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は確実な脳波検出を可能にし,対照群,炎症群,低酸素群それぞれ1頭からデータを採取する予定であった.皮下埋込部分での電位増幅が可能な機器を選定して胎児脳波の測定を可能にし,subplate層に特異的とされるdelta brushを特定できるか解析中である.対照群1頭からデータを収集したが,予定していたヒツジで受胎が得られず2頭は実験を実施できなかった.そのため進捗はやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は羊水中でのノイズ対策に苦慮したが,皮下埋込部分での電位増幅が可能な機器を選定して胎児脳波の測定を可能にした.そのため来年度以降は確実に受胎が得られれば,3群それぞれのデータを収集可能である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は確実な脳波検出を可能にし,対照群,炎症群,低酸素群それぞれ1頭からデータを採取する予定であった.皮下埋込部分での電位増幅が可能な機器を選定して胎児脳波の測定を可能にし,subplate層に特異的とされるdelta brushを特定できるか解析中である.対照群1頭からデータを収集したが,予定していたヒツジで受胎が得られず2頭は実験を実施できなかった.そのため残額は来年度に実施する追加の実験に要する消耗品代金や解析費用に使用する.
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