研究課題/領域番号 |
21K07841
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
橋井 佳子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 小児科主任部長 (60343258)
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研究分担者 |
戸村 道夫 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (30314321)
香山 尚子 大阪大学, 高等共創研究院, 准教授 (40548814) [辞退]
白川 利朗 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (70335446)
片山 高嶺 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (70346104) [辞退]
皆川 光 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60792132)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 腸管免疫 / ビフィズス菌 / パイエル板 / 樹状細胞 |
研究実績の概要 |
B longum 420はビフィズス菌にWT1タンパクをコードする遺伝子を組み込み、その表層にWT1タンパク質を発現させた製剤である。本剤を用いて担がんモデルマウスに経口投与にて抗腫瘍効果を確認した。今回、マウスに本剤を頻回経口投与しその動態を腸管粘膜下の免疫に関与する組織を採取してあきらかにした。B longum 420内服によって腸管粘膜下より採取したパイエル板に存在する樹状細胞では、その活性化マーカーであるCD103の発現が非投与時と比較して増加しており、かつ同じくパイエル板に存在するCD8+T細胞、CD4+T細胞のIFN-γの細胞内産生が増加していた。腸間膜リンパ節ではCD103の発現の発現の増加が認められなかった。このことは本剤が腸管粘膜下組織へ取り込まれパイエル板に存在する樹状細胞に取り込まれた後プロセシングをうけ樹状細胞上に提示され、リンパ球へクロスプレゼンテーションされたことを意味する。その結果、産生されたWT1特異的キラーT細胞が腫瘍内で抗腫瘍効果を発揮していることが明らかになった。 さらに抗腫瘍効果を高めるためWT1 CD4ヘルパーエピトープをコードする遺伝子を組み込んだ製剤B lougum2656を作成した。B longum 420とB lougum2656を併用した場合、B longum 420のみを内服させた場合よりも末梢血および腫瘍中のCD8+T細胞中のWT1特異的キラーT細胞の割合が高く、CD4+Tリンパ球のIFN-γ産生細胞割合も増加した。 今回の研究ではCD103陽性樹状細胞にB longum420取り込まれWT1特異的キラーT細胞が生み出されていることをあきらかにすることができた。現在生み出されたT細胞のその後の腫瘍までの動態をKikGRマウスを用いて可視化するための予備実験をおこなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
KikGRマウスを購入したのが2022年11月であったためやや遅れている。KikGRマウスより取り出した細胞の蛍光スペクトラムがPEに近いため従来用いていた蛍光色素とは異なる免疫染色抗体パネルの作成が必要である。まず、もれなく効率よく解析するための抗体パネルの作成をおこなっている。
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今後の研究の推進方策 |
KigGRマウスより取り出されたリンパ球を種々の免疫染色抗体で染色し、フローサイトメトリー法で解析をおこなう。効果的な抗体パネルを作成後、大谷大学との連携を強化し、腸管粘膜下免疫組織への紫色のレーザー照射法やフローサイトメトリー解析に関する研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
KikGRマウスの胚からの作成に時間がかかり、実際の実験にとりかかるのが遅延したため。また抗体パネルを新規に作成するのに時間がかかったため。 すでにKikGRマウスの生体を得ている。このマウスの飼育費用に使用する。また従来とは異なる蛍光色素を結合したWT1テトラマーの購入に使用する。さらに新規抗体パネルに用いる様々な抗体、約20種類を購入する。
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