優性遺伝性GH1遺伝子異常症モデルマウスにおけるGH分泌不全の分子生物学的機序を解明するため、マウスの内因性Gh遺伝子のexon 3をCRISPR/Cas9を用いて欠失させたモデルマウスを作製し、申請者らが先行研究で樹立したヒトGH1遺伝子ノックインマウスと同等か、より重症な表現型を得ることに成功した。このマウスを用いて以下2つのstrategyで研究を進めた。 ①マウス下垂体を用いたリアルタイムRTPCRの結果、Xbp1遺伝子のスプライシングが変異マウスにおいて有意に亢進していることが確認できた。exon3が欠失したGH(Δ3GH)により小胞体ストレスが惹起されていることを証明できた。 ②Gh KOマウス(-/-)と、片アリルにΔ3Ghを有するマウス(-/Δ3)を用いて、下垂体のtranscriptome解析を行い、細胞膜を通過するタンパクの発現が多数mRNAレベルで低下していることを突き止めた。 Δ3GHの特性を突き止めるため、CAGプロモーター下に下垂体以外の他の内分泌臓器(膵β細胞、副腎)にてΔ3GHを発現させたマウスを作製し、現在表現型の解析中である。
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