研究課題/領域番号 |
21K07857
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
金子 直人 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90791955)
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研究分担者 |
橋本 多恵子 山形大学, 医学部, 助教 (30507629)
服部 元史 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50192274)
神田 祥一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60632651)
三浦 健一郎 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (70408483)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS) / 難治性ネフローゼ症候群 / 遺伝子解析 / 腎移植後再発 |
研究実績の概要 |
巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は難治性ネフローゼ症候群を呈して末期腎不全に至り、腎移植後も高率に再発する希少難病である。遺伝子変異の有無によって治療反応性や腎移植後再発率が異なるため、遺伝子解析は治療選択や予後予測に重要な役割を果たしている。小児FSGSの20-30%が単一遺伝子異常を原因とすることが報告されている。一方、次世代シーケンサーを用いた遺伝子解析が費用や労力などの問題で容易に施行できない場合もある。そこで、どのような患者が遺伝子異常を有する可能性が高いかについて検討を行った。 1999~2019年に当科で腎移植を施行され、次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子解析を施行された小児期発症FSGS患者24例(23家系)を対象とし、familial/syndromic、presumed primary、undetermined FSGSの3群に分けて解析した。Presumed primary FSGSは1)ネフローゼ症候群、2)初期ステロイド治療またはその後の免疫抑制治療で完全寛解または部分寛解を達成した、3)びまん性の足突起消失の3項目全てを満たす例とし、いずれか1つでも満たさない例をundetermined FSGSとした。その結果、familial/syndromic FSGS 4家系の全例(100%)およびundetermined FSGS 11家系中10家系(91%)でFSGS関連遺伝子の病的バリアントを認めた。一方、presumed primary FSGSの8家系ではいずれも単一遺伝子異常を認めなかった。 以上から、ネフローゼ症候群、治療反応性、びまん性の足突起消失といった臨床病理学的所見による層別化はFSGSの移植患者の単一遺伝子異常を有する可能性を予測するうえで有用と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全国的FSGS患者のデータベースと遺伝子異常の評価のためのエキスパートパネルを構築した。また、臨床病理情報に基づいて層別化し、遺伝子異常を有する割合について検討を行うことで、層別化の有用性を検証した。
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今後の研究の推進方策 |
さらに症例を増やして検討を行う。また、遺伝子異常を有する患者の割合の経年的な変化を解析するとともに、末期腎不全に至ったgenetic FSGS症例とnon-genetic FSGS症例の臨床像について比較検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、予定していた旅費の支出がなかったため次年度使用額が生じた。当該助成金に関しては、次年度に遺伝子解析に使用する予定である。
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