研究課題/領域番号 |
21K07864
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
和氣 玲 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (60609262)
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研究分担者 |
安田 謙二 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (00335556)
大西 新 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 特任教授 (00507014)
宮岡 剛 島根大学, 医学部, 客員研究員 (50284047)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 22q11.2欠失症候群 / 精神疾患 |
研究実績の概要 |
複雑な遺伝性疾患である22q11.2欠失症候群(22q11.2DS)は、健常者より精神疾患発症のリスクが高く、精神疾患発症の引き金の一つであると考えられているストレスに対する脆弱性が報告されている。我々は精神疾患バイオマーカーの開発研究をおこない、精神疾患の進展にともなって増減する尿マーカーを発見した(Miyaoka et al., 2005, 2015, Wake-Yasukawa et al., 2007, Wake et al., 2021)。現在、精神疾患の重症度や経過による尿マーカーの有用性について研究を進め、論文を作成中である。 これらを基盤として「22q11.2DSにみられる精神疾患発症に関するストレス脆弱性の解明」の研究について、島根大学医の倫理委員会の承認を得て、研究を開始した。スタートアップミーティングを行い、研究体制を構築し、研究を開始した。さらにリサーチカンファレンスやウェブミーティング、学会参加などを通じ、学内外において情報収集、研究者間での意見交換を行った。 現在、18歳から25歳までの22q11.2DS患者群20名、DSM-5診断基準により診断された統合失調症群20名、健常群100名を対象として、以下の方法でテータ収集を開始し、症例の蓄積、検体収集を行っており、検査結果から解析を行う準備を進めている。 研究対象者の精神症候評価と随時尿を採取し、尿中ストレスマーカー(バイオピリン、FLC、8OHdG、Cr、タンパク量など)、心拍変動による自律神経系活動の測定を行っている。 さらに、動物実験開始に向けて、22q11.2症候群のモデル動物について情報収集を行っている。22q11.2DSにおける最も一般的な3.0Mb欠失に対応する欠失を有する動物モデルマウス(Del (3.0 Mb) / + マウス)について、学内外において情報収集、意見交換を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染症の影響により、研究対象者の症例収集が困難であったが、徐々に進行している。 また、動物実験施設等の影響により、3.0Mb欠失に対応する欠失を有する動物モデルマウス(Del (3.0 Mb) / + マウス)の購入、飼育が困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も引き続き22q11.2症候群のクリニカルデータ及び尿サンプルと脳機能イメージングの症例収集、データ解析を行っていく予定である。 また、動物実験についても開始できるよう、準備を進めていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在は、検体収集を実施しており、症例数が集まり次第、検体の検査キットの購入や解析のための費用が掛かると見込まれる。 また、今年度は主にオンラインで学会などが行われていたため、旅費などが発生しなかったが、次年度には対面で学会や会議などが開催されることが予定されている。 また、次年度に検査キット、検査費用、解析のための費用、ラットの購入費、学会発表旅費、論文作成のための費用が必要になる予定である。
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