研究課題/領域番号 |
21K07867
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
新山 新 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (50404520)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
松久保 眞 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (00528036)
鳥飼 源史 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00535635)
大西 峻 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (10614638)
矢野 圭輔 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (30757919)
加治 建 久留米大学, 医学部, 教授 (50315420)
杉田 光士郎 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (50781514)
中目 和彦 宮崎大学, 医学部, 講師 (70448570)
町頭 成郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80404523)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 壊死性腸炎 / 肝細胞増殖因子 / ラットモデル |
研究実績の概要 |
壊死性腸炎(necrotizing enterocolitis:NEC)は新生児、特に低出生体重児に発症する腸管の未熟性、感染等を原因とする腸管壊死を伴う疾患で、発症すれば高率な死亡率(約40%)を有する重篤な新生児外科疾患である。特に欧米では低出生体重児の約10%に発症すると報告され、その発症予防と治療は重要な臨床課題である。近年本邦においても早産児・低出生体重児の出生数は増加しており、それに伴い生存率を高めるだけでなく、intact survival(後遺症なき生存)が目指されている。今回我々が着目した肝細胞増殖因子(HGF)は肝細胞増殖を強力に促進する物質であり、主に劇症肝炎など重篤な疾患への治療薬としてその臨床応用が期待されている。特異的受容体c-Metを介して、肝細胞などの上皮細胞以外の組織に対しても細胞増殖、細胞遊走、抗アポトーシス、抗線維化などの多彩な生理作用を発揮し、多くの組織の再生因子あるいは修復因子として効果を発揮すると考えられている。本研究は確立したNECラットモデルを用いて、HGFのもつ再生因子あるいは修復因子としての作用のNEC予防・治療効果を検証することで、NECの発症根絶を目指した新生児のintact survivalの改善を目的とするものである。NECモデルを作成し、HGFの発症前投与群と発症後投与群を作成し、効果・至適投与時期などを検証する。効果は組織学的評価やサイトカイン解析、腸管粘膜のタイトジャンクションの状態をRT-PCRを用いて評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当科ではこれまでもNECラットモデルにおける研究を行ってきており、モデル作成は可能であった。研究開始後まもない段階で、当施設動物実験施設が大規模改装工事に入り、実験室移転に伴い、実験設備などの関係から研究継続が困難になった。現在、実験室を調整中であり、準部が整い次第再開する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究プロトコール自体は作成されているため、計画通りに実験を進める。HGFの投与方法は決定しておらず、そのほかの動物実験系で検討してきたが、経腸や経静脈投与は合併症リスクを高める可能性があることや、動物モデルが未熟であること、持続的な血中濃度の維持が容易に可能な事から皮下注射で進める方針としている。実験が順調に進まない場合や効果の検証が困難な場合は、現在行っている重症なNECモデルではなく、出生後1週間環境馴化を施した緩徐に進行するNECモデルに変更して効果を検証する。緩徐に進行するNECモデルの方が時間的な猶予があるためHGFの効果に対する詳細な評価を行える可能性があると考える。その結果を参照して、再度重症モデルラットで効果判定を行う。また動物モデルの変更の際は新たに動物実験計画書を作成しなおす必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験施設改修に伴い、仮設での研究体制が整っていないおらず、HGFの投与段階には至っていない。次年度以降に投与研究を行う必要があるため、研究費持越しを行う必要がある。次年度は主に動物入手と免疫染色やタンパク分析などの結果解析にコストが生じること予想される。
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