研究課題/領域番号 |
21K07868
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
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研究分担者 |
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
郷 勇人 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30443857)
佐藤 晶論 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (60423795)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | RSV / F蛋白 / 中和エピトープ / 中和抗体 / 塩基配列 / アミノ酸配列 |
研究実績の概要 |
RSVのウイルス粒子の外套(エンベロープ)には中和活性に関連するG蛋白、F蛋白、SH蛋白のスパイク蛋白がある。これら3つの蛋白のうちF蛋白のみが細胞への感染に不可欠であり、さらにF蛋白はエピトープ部分の塩基配列がよく保存されており、中和エピトープとして適している。 本研究の目的は「RSV感染症克服」を最終命題に、経年変化するRSVの臨床分離株への中和抗活性と中和エピトープの遺伝子配列の変化を明らかにし、中和エピトープの質的評価をすることである。 2023年度は、前年度に引き続きRSVの中和エピトープの塩基配列の確定のため、講座に保有しているRSV臨床分離株よりRNAを抽出し、中和エピトープのsite Ⅱ、site Ⅴ、site 0 (zero)についてPCRの後、ダイレクトシークエンスにて塩基配列を決定し、アミノ酸配の解析をした。palivizumab使用中の児から分離されたRSV株にpalivizumab耐性変異が認められ、suptavumab耐性変(L172Q; S173L)が 2016 年頃からすべての RSV-B に認められた。site 0に関しては2018年ごろからRSV-Bにおいて(I206M; Q209R)が主流化したが、すべてnirsevimab感受性であった。さらに、保存血清中の各エピトープ(site Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、および0)特異抗体量を新たに確立した競合ELISA法を用いて測定した。健常人においてsite 0 ESAとsite Ⅴ ESAが特にRSV中和抗体量に寄与していることが明らかになった。
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