研究課題/領域番号 |
21K07877
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研究機関 | 公益財団法人かずさDNA研究所 |
研究代表者 |
中島 大輔 公益財団法人かずさDNA研究所, ゲノム事業推進部, 研究員 (30370935)
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研究分担者 |
川島 祐介 公益財団法人かずさDNA研究所, ゲノム事業推進部, ユニット長 (30588124)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乾燥ろ紙血 / 新生児スクリーニング / プロテオーム解析 / LC-MS / 炭酸ナトリウム沈殿 |
研究実績の概要 |
乾燥ろ紙血から疾患原因タンパク質を一斉検出する為に、安価かつ迅速に乾燥ろ紙血からタンパク質を抽出する方法の開発を目指した。血液中にはヘモグロビン、アルブミンや免疫グロブリンなどの親水性のタンパク質が高い濃度で含まれており疾患原因タンパク質の検出を妨げている。そこで膜タンパク質(疎水性)の抽出にこれまで利用されてきた炭酸ナトリウム沈殿法を用いて乾燥ろ紙血から疎水性タンパク質が効率的に再現性良く抽出できるかどうかを試みた。乾燥ろ紙血を溶液中によく分散させ、タンパク質を溶出させるための破砕方法の検討、ろ紙残渣の除去や疎水性タンパク質を沈殿させるための遠心方法の検討などを行った結果、電気泳動および質量分析によりヘモグロビン、アルブミンや免疫グロブリンなどの親水性の血液中の高含有タンパク質を効率的に除去できていることが確認できた。さらにこの方法を用いて抽出を複数回行うことにより再現性についても問題がないことを確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りにタンパク質の一斉検出に不可欠な乾燥ろ紙血からのタンパク質の抽出法を確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、乾燥ろ紙血から抽出したタンパク質を一斉検出に適した高深度プロテオーム解析法の開発を行う。血液サンプルはこれまで解析してきた培養細胞や生体組織由来のサンプルとタンパク質の種類や濃度のダイナミックレンジが異なるためLC-MS条件を再構築する必要性がある。そのためにカラムの充填剤の種類、カラム長、流速などのLC分離条件、MSレンジ、Isolation window幅、フラグメント蓄積時間などのMS検出条件を検討する。
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