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2023 年度 実績報告書

糞便移植療法の最適化を目指した宿主免疫機構の可塑性と曝露すべき腸管微生物叢の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K07900
研究機関杏林大学

研究代表者

松浦 稔  杏林大学, 医学部, 准教授 (30402910)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード腸管微生物叢 / 免疫可塑性 / 微生物叢発達 / 腸管粘膜 / 遺伝子発現
研究実績の概要

無菌(GF)マウスにSPF由来の腸管微生物叢を移入し、移入4週間後におけるレシピエント(元無菌マウス:ex-GFマウス)の腸内細菌叢、腸管構造、免疫プロファイルを検討した。その結果、若年マウスには免疫発達の可塑性があり、さらに週齢相応の腸管微生物叢を選択、構築し、宿主の健常な免疫発達を可能にするメカニズムが存在する可能性が示唆された。そこで、幼少期に生着する腸内細菌叢の選択に関与して、週齢特異的な宿主側の因子について検討した。4週齢GFマウス(E群)と10週齢GFマウス(L群)における回腸粘膜と大腸粘膜の発現遺伝子についてmRNAマイクロアレイ解析(対象は22206遺伝子)を実施した。E群とL群は主成分分析によるプロット図において異なるクラスターを形成し、特に回腸粘膜で、週齢により異なる遺伝子発現パターンとなっていることが示された。さらに、回腸粘膜におけるE群とL群の比較で発現量比が2倍以上で有意に異なる遺伝子として、120遺伝子が抽出され、E群で優位に発現している遺伝子は66遺伝子、L群で優位に発現している遺伝子は54遺伝子であった。これらの遺伝子について、10週齢SPFマウスをドナーとして4週齢または10週齢GFマウスに腸管微生物叢を移入した際に生着した細菌構成との相関解析を行った。E群の回腸粘膜に優位に発現している遺伝子と強い正の相関関係を示す細菌属として、Lachnospiraceae NK4A136 group属、Roseburia属が同定された。これらの2細菌属は、4週齢SPFマウスにおいて最も高い占有割合を示す2細菌属であった。さらに、4週齢SPFマウスにおいて、10週齢SPFマウスよりも、有意に高い占有割合であった。これらの結果は現在、英文国際誌に投稿中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 健常な幼少期腸内細菌叢の構築に関与する宿主因子・細菌因子の探求2023

    • 著者名/発表者名
      西成田悠,三好潤,和田晴香,小栗典明,黒沼智,日比則孝,竹内修,松浦稔, 小林拓,秋元義弘,日比紀文,久松理一
    • 学会等名
      第60回日本消化器免疫学会総会

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公開日: 2024-12-25  

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