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2022 年度 実施状況報告書

クローン病由来オルガノイド単層培養による新規疾患感受性遺伝子RAP1Aの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K07931
研究機関東北大学

研究代表者

諸井 林太郎  東北大学, 大学病院, 助教 (90803594)

研究分担者 黒羽 正剛  東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70709469)
角田 洋一  東北大学, 大学病院, 助教 (50509205)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードRAP1A
研究実績の概要

前年度までにクローン病患者の回腸上皮粘膜のオルガノイド単層培養法を確立したため、本年度は対象症例数をさらに増やした。最終的には約30症例でオルガノイドの樹立に成功した。単層培養を用いた抵抗値の検証には、安定的、かつ再現性のある実験系の構築が望まれるため、まずは条件設定を行った。Millicell 電気抵抗値測定システムを用いて単層培養のTEERを測定したところ、経時的にTEERは上昇し、樹立3日後はTEER:200Ωcm2程度だったものが、5日目では400Ωcm2、10日後は1000Ωcm2、17日目で1400Ωcm2程度のピークとなり、以降細胞の死滅とともにTEERの低下を確認できた。複数の条件を検証することで、樹立後10日が最も検証に適した状態と判断した。その後、様々な因子によりTEERが変動するかどうかを検証した。最初に行ったのが、炎症性腸疾患に関連するサイトカインを負荷し、負荷後の粘膜抵抗値を検出することである。まずは、腸内細菌をターゲットとし、LPS(1ng/ml)の負荷を試みた。LPS負荷とコントロールには電気抵抗値に差を認めず、LPSはクローン病上皮の粘膜電気抵抗値に関与しないことを明らかとした。次に、TNFα、およびインターフェロンの負荷を行った。24時間負荷することで、抵抗値はコントロールと比較して約40%まで低下することが明らかとなり、IBD関連の炎症性サイトカインが、腸管上皮細胞の粘膜電気抵抗の低下を惹起することがあきらかとされた。次年度は、RAP1A遺伝子多型によるTEERの変動について検証する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

オルガノイドの樹立や単層培養化が想定より問題なく可能であったこと。

今後の研究の推進方策

次年度からは樹立、および確立した単層培養電気抵抗測定を用いて、遺伝子多型やRAP1Aとの関連について調べる予定である。問題として、1症例のオルガノイド樹立および測定に約1か月ほどかかることや、統計学的有意差を得るには症例数がさらに必要になる可能性があることである。

次年度使用額が生じた理由

予定症例数の増加が見込まれたため、執行予算を次年度使用に配分した。

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公開日: 2023-12-25  

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